全裸監督(2019年/日本) バレあり感想 どんな業界にせよ本気で何かにチャレンジする人はかっこいいし、その生き様はドラマになるのよね。
一つ注意点があるとすれば、なるべく音量を絞るかイヤホンヘッドホン使うかして観た方が良い作品だって事くらいですかね。
外出先でタブレットでこのドラマ観た時、うっかりいやらしいシーンもスピーカーから音出して観ちゃってマジで恥ずかしかった。
『全裸監督』
以下、ドラマ全体のネタバレを含む感想記事です。
■ストーリー
立ちはだかる巨大な組織の方々を往なしながら、男はエロ産業で成り上がる。
■感想
実在する伝説のAV監督、村西とおるさんをモデルにしたドラマ。
同名タイトルの書籍を原作に、印象的なシーンをピックアップして物語として再構成した半分ノンフィクションみたいなタイプの作品だそうです。
全8話のストーリーの組み込み方が巧妙過ぎてビビります。
第一話で浮かない営業マンがトップ営業マンになり、二話でビニ本と裏本事業での成功と挫折、三話で仲間の裏切りとそこからAV産業へ参入する村西の姿を描いています。
村西の性格やビジネスの嗅覚といった部分を前半の三話で一気に描き切って、その後はAV産業に携わる人々や警察、業界大手のポセイドン企画との対立といった方向性を中心にドラマがシフトしていきます。
その中で村西と佐原恵美(黒木香)の二人の、ある種の挑戦の物語として一貫した方向性を維持しているのが、このドラマの面白いところだと思いました。
人間の本来の姿そのものを捉えようとする村西と、抑圧された人生を送り続け、自分らしさを抑え込んでいた佐原恵美。この二者が出会った瞬間の、最強のAVが出来上がりそうな予感が漂い始める感じが面白すぎます。
佐原恵美は黒木香となり、AV女優でありながらそのキャラクターを活かしメディア露出を増やし、村西もこれまでにないAV作品の追及を続けていきます。
その結果、しかし村西はハワイで逮捕されこれが終盤の展開のフックとなっていきます。
ハワイで逮捕された村西を救うために、サファイア映像の仲間達が司法取引を成立させる為の資金繰りをします。
その中で、ずっと村西の右腕として頑張っていたトシが、どんどんアウトローの世界にのめり込んでいく姿がシンプルなエグさに塗れていて切ないです。
村西の為に手段を選ばずがむしゃらに金を集めた結果、信用を失い友情を失い、ヤクザの世界に溺れていくトシ。悲しすぎる。
国外の制作チームによるワークショップを経て、脚本の書き上げも海外的な手法、チームライティング方式を採用したそうです。
確かに脚本面でも良い意味で日本のドラマらしくない雰囲気は随所から感じられますが、それ以上にカメラワークにも拘っているんじゃないかと思いました。
個人的なイメージの話になりますが、日本のドラマ作品や映画作品って、極端な色味とカメラワークのものが多い印象を抱いています。
登場人物に寄ったカットの連発で、会話劇は盛り上がる一方で、全体的な物語のスケールが掴み辛いイメージがあります。色味も、なんというか、自然すぎて逆に浮きがちみたいな。
それが日本の映像作品の個性だったりすることもあると思うので、一概に全て悪手とも言えない事はもちろん理解しています。
専門家でもなんでもない素人意見なので、それが手法として本当は正しいのかも分かりませんが、個人的には日本の実写映像作品でよく違和感を覚える点でした。
全裸監督ってその辺りが自然に感じるというか、映像全体の見え方見せ方も、従来の日本のドラマとは少し違う印象があります。
全体像が凄く掴みやすいと思ったんですよね。
予算面とか製作期間とか、そういうところにも要因があるのでしょうか。
■〆
個人評価:★★★☆☆
謎にカメラワークについての感想を書いていますが、ドラマそのものがそもそも面白いです。
やたら話題になっていたのはシンプルに出来が良いからなんですね。
おっぱいが沢山出てくるからなのかと思ってました!
実在した人物をモデルに、AV業界の当時の実情なんかを交えつつも、挑戦の物語として上手く纏まっていると思います。
シーズン2の制作が決まっているそうで、とても楽しみです。おっぱい見るのがね!!!!!!!!
ではまた。