趣味と向き合う日々

映画やアニメなどの映像作品、音楽、プラモデルといった趣味に関して気ままに書いています。

クラウド アトラス(2012年・アメリカ) バレあり感想 ストーリーも時間軸もジャンルも全部バラバラな各物語を一つにまとめちゃいました!!

トム・ハンクス大好きと言い続けてもう何年的な話は多分以前から何度も書いてるので流石にもう書きません、僕です。

 

最近、群像劇的な要素を絡めた映画を何本か観ていたので、

本家(?)の群像劇映画も観たくなったのでこの映画を観る事にしました。

トム・ハンクス出てるし。

 

クラウド アトラス』(原題:Cloud Atlas)

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ザ・欲張りセットって感じの映画ですねこれは……。

 

 

 ■あらすじ

 

群像劇のあらすじってどうやって書いたら良いんだよ!!

■あらすじ じゃねえよどうしたら良いんだよ!!!

 

と思ってましたが、それぞれのキャラクターのアレをアレすればどうにかなるか。

頭が足らないので各ストーリーラインで分けてます。

あと一部はラストまで書いちゃってます。

バレあり感想って記事名に付けてるし許して。

 

・1894年 奴隷「目を見たら友達だってわかる」弁護士「立場がね……

奴隷貿易でいっちょ大儲けしたろ!とウキウキで契約を獲ったものの、弁護士のユーイングは突然倒れてしまう。

帰路に着く船の中で、彼に同行していた医師から「寄生中にやられた」と報告を受け、治療を受ける事に。

だが、いくら医師の治療を受けても体調が回復しないユーイング。

そんな最中、ユーイングの船室に奴隷が一人潜んでいたことがわかる。

奴隷はユーイングに「弁護士なら自分を助けて欲しい、自分は水夫だったから役立つと船長に話をしてくれ、無理なら殺せ」と懇願する。

 

ユーイングは船長に交渉したが、約束は守られず船長は奴隷を殺そうと画策する。

船長が奴隷に帆を張るように命じ、奴隷が作業中のところを銃殺しようと試みる。

しかし、奴隷は手際よく帆を張り、船員たち、そして聞く耳を持たなかった船長をも感心させ、船員として雇われることになった。

 

その間もユーイングの体調はどんどん悪化していた。

実は、医師のグースはユーイングの金貨を狙い、彼を毒殺しようとしていたのだ。

正に毒殺が遂行されようとしたその時、奴隷が助けに入り、ユーイングは一命をとりとめ無事に祖国アメリカに帰る事ができた。

 

そして、この一件の後ユーイングは奴隷貿易から手を引き、最愛の妻ティルダと共に奴隷解放運動へ身を転じるのだった。

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・1931年 俺の曲は俺のモノ、お前の曲も俺のモノ

 

フロビシャー君は、音楽で大成する事を願う若者だった。

ある日、恋人のシックススミス君と一夜のお楽しみの後、家を出て大作曲家エアズの元

で音楽を学ぼうと彼の元に向かう。

 

採譜係として試用の機会を貰ったものの上手く採譜を行えず、エアズからは「出て行け」と言われてしまった。

だが、フロビシャーが奏でたピアノの演奏を聴き、エアズは考えを改め彼を正式に採譜係にする。

 

その後、エアズとフロビシャーは順調に作曲を続けているかのように見えた。

だがある日、フロビシャーが作り、完成が見えてきた大作「クラウドアトラス六重奏」を聴いたエアズは、そのあまりに先進的で美しい旋律に惚れこむ。

そしてこの曲の作曲家としての権利を主張、フロビシャーの制作していた楽譜を持ち去ろうとした。

それに抵抗し、フロビシャーはエアズの事を撃ってしまう。

 

その事件の後、フロビシャーは警察の手を掻い潜るため、人目を避けられるボロアパートに籠り、遂に「クラウドアトラス六重奏」を完成させた。

恋人のシックススミスに最後の手紙を残し、フロビシャーは拳銃自殺をするのだった。

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・1973年 エネルギービジネスの闇

エレベーターの中で偶然出会った物理学者のシックススミスと芸能ゴシップ記者ルイサ・レイ。

シックススミスはある日、彼が関わっている原発開発計画に意図的且つ重大な欠陥が組み込まれている事を証明するレポートをルイサに託そうとするが、

その動向を察知され、雇われの殺し屋ビルによって射殺されてしまう。

 

そして、シックススミスの持っていたレポートと、フロビシャーからの手紙を回収していたルイサもまた命を狙われる。

しかし、ルイサは彼女の亡き父と共に戦地で戦った男ネピアと共に、この陰謀に立ち向かう。

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・2012年 ダメ人間おじいちゃんのプリズンプレイク

書籍編集者で老齢のカヴェンディッシュは、ある授賞式のパーティーに出席していた。

そこで新人小説家のダーモットが、彼の作品「顔面パンチ」をこき下ろした書籍批評家の男を容赦なく屋上から投げ落とし殺害する。

この出来事で「顔面パンチ」は大ヒットし、出版元だったカヴェンディッシュは莫大な印税を受け取る。

 

ところがある日ダーモットの手下たちが現れ、ダーモットに印税が振り込まれない事を糾弾し、カヴェンディッシュは恐喝され、翌日までに大金を用意する約束をしてしまう。

余裕があると思われていた自身の印税収入も、実は殆どはカヴェンディッシュの過去の借金の返済に充てられていたことがわかる。

 

カヴェンディッシュは、裕福な彼の兄を頼り、兄のデニーもしぶしぶ金の工面をすることを約束した。また、デニーには安全の為「隠れ家」を用意すると言い、そこへカヴェンディッシュを向かわせた。

 

隠れ家に着き一夜明けた後、カヴェンディッシュはそこが隠れ家などでは無く、

デニーの経営する脱出不可能な老人ホームであったことを知る。

カヴェンディッシュはこの地獄の要塞から抜け出す為、同志達と脱獄計画を立てる。

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・2144年 アンドロイドは電気羊の夢を見るか

 

近未来、人類が労働力としてクローンを使役している時代。

合成人間であるクローンに対して、人類は純血種と呼ばれた。

 

クローンとして毎日バーで働くだけの毎日を送っていたソンミ451。

ある日彼女は仲間のクローンと夜中にひっそりと寝室を抜け出し、紛失物管理室に忍び込み、映画「カヴェンディッシュ大脱走」の一場面を観た。

 

それ以来、ソンミの脳裏には映画の一場面とセリフが焼き付いていた。

しかしある日、共に映画を観たクローンが客に対し無礼を働き殺されてしまう。

クローンたちには本来芽生えてはいけない感情や思考が原因だった。

 

この事がきっかけで、殺されたクローンとの関係が発覚したらソンミもまた殺害されてしまう可能性があった。

 

だが、そんな彼女をある男が救い出す。

男は、革命軍の司令官であるチャン。

 

チャンによって救い出されたソンミは"純血種"の世界を目の当たりにする。

また、彼女達クローンの最期がどうなるかも知ることになる。

ソンミはそれらの世界の実態を知り、革命軍に協力することした。

 

革命軍が放送施設を占拠し、ソンミは全世界に向けて演説を始める。

その最中、放送施設を奪還する為攻撃を仕掛けてきた政府軍と革命軍の戦闘は激しさを増していく。

遂には革命軍の司令官チャンも銃撃に倒れてしまう。

その姿を観たソンミは涙を流していた。

 

捕らえられたソンミは、それまでの体験やチャンへの想いを語り、最後はクローンとして処刑されるのだった。

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・2321年 世界が核の炎に包まれた後のお話

だが人類は死滅していなかった。

 

人食い族の襲撃に怯え、時折悪魔のささやきに耳を貸して仲間を見捨てつつも、基本的には素朴に生きていたザックリー。

彼の住む村のある島には、遠く海の向こうから超高度文明時代の技術を知るプレシエント族が物々交換と称してやってくる。

 

ザックリーが帰宅すると、自宅にはプレシエント族であるメロニムが居た。

ザックリーの耳元で、彼の心に棲む悪魔”オールド・ジョージ”が「この女を信用するな」と嘯く。

 

ザックリーがメロニムに真の目的を問いただす。

そして彼女はこの島に来た目的を語るのだった。

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■感想

 

・色々と交差しまくり

群像劇の醍醐味って、全くバラバラな夫々のストーリーが収束して一つになったりするところにあると思うんですが、

この映画はなんかもうそれを腹いっぱい堪能できる感じですね。

 

上にあるあらすじの年代表記で分かる通り、

この映画、ストーリーラインどころかタイムラインまでばらけてるんですよ。

 

で、それらを更に一本の映画の中でシャッフル配置するわけです。

 

各時系列の各物語の場面が、それぞれ相互にリンクする展開が結構あって中々目を引きます。

ちゃんとその辺りの物語的展開を序破急的に纏めていて、これがしかもそれぞれ凄い面白いんですよ。

 

また、別の物語軸の中で、その軸より過去の出来事である別の物語軸に関するキーワードなんかが出てきていたり。

細かいところまで作り込みがちゃんとしてました。

 

 

 

・各ストーリーラインのジャンルすらバラバラ

 

精神を試されている気分になるわ。

 

友情活劇かと思いきやサスペンスかと思いきやコメディかと思いきやサイバーパンクかと思いきやディストピアかと思いきや恋愛モノかと思いきや友情活劇かと思いきやサスペンスかと思いきやコメディかと思いきや以下無限ループ。

 

それぞれのキャラクターのストーリーラインがバラバラ ←わかる

 

それぞれのキャラクターのタイムラインもバラバラ ←まだついていける

 

夫々のキャラクターの物語のジャンルもバラバラ ←脳みそ沸騰するわ!!

 

これはマジで中盤くらいで、この映画のフォーマットが分かってくるとホント笑えて来ます。

もう面白すぎるんですよ、色んなタイムラインと物語軸でそれぞれのジャンルの作品として真剣に作っているので。

 

それらが一本線に配置されてる状態が相当面白いことになってます。

 

ただ、各物語のつなぎ方に関しては非常に上手いです。

 

ごく自然な流れで別の物語に話がシフトしていくので、テンション的な部分で言えばしっかり持続され続けます。

 

でもやっぱりおじいちゃんたちのコメディパートだけはどうする事も出来なかったみたいですね。

 

特にクライマックス前後で、このおじいちゃんたちのパートだけ微妙にピークの位置がずらされていました。

このパートの配置に相当悩んだ痕跡は他にも結構見当たりましたね。

そりゃ難しいに決まってるわな……。

 

・テーマと描き方が面白い

 

多分テーマとしては、生まれ変わりとか運命とか魂の昇華とか、この辺りです。

特に生まれ変わりと運命に関しては、時系列が違うそれぞれのストーリーという所でよく描いていると思いました。

 

この映画、各役者さんがもう一人何役やってんだよってレベルで色んな役で出てきます。

各時系列毎のキャラクターが居る訳ですから、多分一人六役ですかね?

 

で、この一人六役なんですが、単なる役者の使いまわしではなくちゃんとここに意味が篭っている感じなんです。

要はそのまま、生まれ変わりの表現なんかをキャスティングで演出してるっぽいんですよ。

 

中々上手く考えたなとホント感心しました。

こんな手法をとる映画今まで観た事なかったですし。

 

テーマの部分はそれを示すセリフやモノローグなんかが作中に散りばめられているので、この辺りを難しく演出しているっていう事もありません。

とても分かりやすい描き方だと思いました。

 

■まとめ

 

いやでもやっぱ分かり辛え気がするわ。

 

ホントこの作品が楽しめるかどうかは、それぞれのストーリーを追えるかどうかですね。

各ストーリーのジャンルが違うというのが結構この部分を阻害してるかも。

例えば1973年の物語はサスペンスとしての構成が強いのですが、じっくり追う暇がありません。

1894年の物語も、結末までに本筋以外に(この尺でまさかの)サイドストーリーが描かれますし。

 

それらも踏まえて一度観てみると良いかもです。

 

あとエンドロールで、各役者が誰の役をやっていたのか写真付きで正解発表があります!

 

結構衝撃的で面白いですよ。

特殊メイクってすげえんだなって再認識できます。

 

重いテーマのストーリーもありますし、全体的にも少し神聖な部分がテーマに在る作品ですが、楽しい映画でした。

 

ではまた。

ダンケルク(2017年・イギリス×フランス×オランダ×アメリカ) バレあり感想 ノーラン監督の作品って音に拘りがある気がする

ダンケルクの大撤退(ダイナモ作戦)をモチーフとした映画です。

史実を元にしたフィクションってやつです。

 

ただフィクションと言っても、必要以上に脚色されている事もないため、

概要としてどんな事が行われた作戦なのかを知るには十分な内容だと思いました。

そんな詳細に色々描こうとしたら映画の尺じゃまとまりませんしね。

 

そういう、映画的な纏めの意味もあっての結果フィクションとして史実を再構成し、

キャラクターを配置したって事だと思います。

 

 

ダンケルク』(原題:Dunkirk

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■背景とあらすじ

・時期的には第二次世界大戦序盤の出来事

第二次世界大戦がはじまるキッカケとなったのが、ドイツによる1939年のポーランド侵攻です。

これを機に、ポーランドの同盟国であったイギリスとフランスがドイツに宣戦布告しWWⅡは幕を開けます。

 

ドイツは次々にヨーロッパ諸国に侵攻し連戦を重ね、1940年、遂にフランスに侵攻を開始します。

ドイツがフランスに侵攻するには、マジノ線を超えるか、フランス東部のアルデンヌの森を超える必要があります。

 

フランスのマジノ線は、当時は絶対攻略不可と考えられていたほど頑強な要塞線でした。

また、アルデンヌの森はそれ自体が天然の要害であり、大規模な兵器の運搬など不可能であると考えられていました。 

 

ところが、ドイツが有する三号戦車を初めとした機甲部隊は圧倒的な走破能力でこのアルデンヌの森をあっさりと突破してしまいます。

 

そしてドイツ機甲師団は、戦車と航空戦力による一極集中投入で前線を次々と突破していき、遂にフランス・イギリス連合軍をダンケルクの海岸にまで追い詰めます。

 

つまり本作はWWⅡ序盤の、ドイツによるヨーロッパ大攻勢期の出来事を描いた作品になります。

 

・あらすじ

 

ダンケルクの海岸にはイギリスとフランスの兵士達が、脱出の為に集まっていた。

イギリス、フランスの将兵40万人をこの海岸から無事に脱出させるための一大撤退作戦、ダイナモ作戦がまさにその幕を開けようとしていた。

 

脱出支援の為に病院船が停泊し、怪我人が次々と乗船させられた。

ところが、空高くからサイレンのような音を響かせながら、航空機が次第に海岸に向か・って降下してくる。

イギリス空軍の防衛線を掻い潜ったドイツ軍の急降下爆撃機、スツーカが海岸へ攻撃を開始した。

 

■感想

・撤退戦ならではの恐怖を描いている

 

この映画、戦争映画ですが交戦は航空戦以外ありません。

これは本作が撤退作戦を描いているからなのですが、

それ故に戦争映画のそれとはまた少し違った恐怖演出がなされているのが特徴的だと思いました。

 

そもそもこの『ダンケルク』で描かれたダイナモ作戦というのは、民間船舶などを徴用して将兵の救出を行う作戦でした。

こうなった背景には、イギリスが本土決戦に向けて兵力を温存したという点があります。

 

 

故に作中で描かれる内容も、常に脱出にフォーカスが当たっています。

 

そして、「脱出できたね、これでもう安心!」とは当然なりません。

 

例えば、無事に沖に停泊していた駆逐艦に乗り込み、ようやく脱出できたと思って一息ついていたら、

ドイツのスツーカによって爆撃を受け駆逐艦ごと撃沈されてしまったり。

 

イギリスとフランスの将兵はもう逃げる事しかできないにも関わらず、

その逃げた先でもドイツの攻撃にあう訳です。

死ぬ危険性が常にあるという事を意識させる描写がかなり多かったと思います。

 

そういう、ある種のサバイバル的な要素が強いからか、イギリス・フランス連合軍の兵士達の死に様が結構ストレートに描かれていてこれが中々怖いです。

攻撃を受けたらもうなすすべもなく死ぬしかないみたいな。

 

 

 

・浜辺より沖合での死の描写が圧倒的に多い

 

僕この映画の予告を観ていた段階では、

浜辺に集められた兵士達を容赦なくスツーカが爆撃していって、そこからなんとか逃げ延びる、

みたいな部分がフォーカスされるのかと思ってました。

 

でも実際に浜辺への攻撃と死の描写は殆どありません。

またその浜辺のシーンの演出も、

どちらかというと爆撃そのものの威力と恐ろしさを観客に見せるとか、どういうものなのか認識させるための物って感じがしました。

 

ちなみに史実でも、この砂浜への急降下爆撃はあまり効果は無かったとされています。

 

 

逆に、海での描写はマジで容赦なさすぎ。

 

爆撃を受けて沈没する駆逐艦の中で艦から脱出する事も出来ずに、

溺れながら艦と運命を共にすることになってしまう兵士達の描写とか。

 

溢れ出した重油に塗れ、燃えながら海を漂う兵士達とか。

 

直接的なグロ描写というものはほぼ出てこないですが、

トラウマレベルで精神的にくる描写が多いです。

 

 

 

・ドイツ兵が一人も出てこない

 

 

 

この映画、マジでただの一人もドイツ兵は出てきません。

 

もちろんドイツの兵器は出てくるんですが、その中にいるはずの兵士達の描写は一切ありません。

イギリスとフランスの兵士達からしてみれば、ドイツの攻撃から丸腰で逃げるしかない状況な訳ですが。

その攻撃をしかける側の描写が無いっていうのは、シンプルに怖いですよ。

 

「相手も人間なんだ」的甘えを否応にも捨てざるをえません。

 

こういう表現するのはちょっと違うかもしれませんが、

ダイナモ作戦におけるイギリスとフランスの撤退待ちの兵士達って、いうなれば狩りの標的みたいなもんじゃないですか。

 

狩られる側の視点から描かれるこの映画で、ハンターの視点を一切見せない事によって、より狩られる側の恐怖感を表現しているのかもしれません。

このドイツ兵側の視点を出さないという演出は僕はかなり好きでした。

 

・BGMとSE

 

このあたりへの拘りが凄い感じられました。

スツーカと言えば俗に「ジェリコのラッパ」とも呼ばれるあのサイレン音が有名ですが、

このスツーカのサイレンが鳴る瞬間、必ずBGMが同期しているのが面白かったです。

 

逆にサイレンだけ聞こえるようにして、スツーカが爆撃しに降下している事を観客に意識させても良いのかもしれません。

 

でもそういう手法はこの映画では一切採られていません。

 

というかこの映画、ほぼ静寂がありません。

 

あらゆるシーンでBGMが流れています。

そして、雰囲気作りに多大な貢献をしてると思いました。

 

上に書いたスツーカのサイレン音もそうですが、

他にも船の汽笛音なんかもBGMと合わさってたり、ところどころなんか上手い事劇中のSEとBGMを絡めてて面白かったです。

 

まだ一回観ただけなので詳しく書けないんですが、

ちょっと次観るときはこの辺りをより意識して観たいです。

絶対もっとなんか他にも音関連で仕込んでるよ。

 

 

・割と分かりずらい劇中の時系列

 

時系列シャッフルの使い方自体は上手いですよね。

この辺りは流石というか。

 

この映画は基本的に群像劇であり、複数の登場人物達が遭遇する出来事を多角的に描いています。

それに合わせて、それぞれの登場人物の時系列もちょっといったりきたりさせているんです。

 

この演出によって、一つの大規模な事件を何度も映画内で描く事が可能になります。

 

作中では、救助の為に沖に居た駆逐艦が爆撃で沈められるシーンがこれに当てはまります。

 

まず、スピットファイアパイロットであるファリアの視点からこのシーンが描かれました。

 

次にこのシーンが描かれるのは、将兵救出の為にダンケルクを目指していた小型船に乗っていたピーター及び彼の父親と友人の視点です。

 

そして最後はトミーやアレックス達英国陸軍兵の視点から描かれます。

 

 

ただし、この演出によってストーリー全体がどうなってるのか割とわかり辛く感じました。

 

実際史実の出来事を元にしてますから、下手に他に架空の戦闘を発生させるわけにもいかないでしょうし

そう言う意味でこの演出ははまってたとは思うんですけどね。

 

海岸と空と海の三軸で、それぞれ時系列が進行するので、

観ながらあれがこうなってこれがこう繋がって……みたいな事をやろうとすると混乱します。

 

 

では、どうすればいいのか。

これ実は割と簡単な解決策があったりします。

 

 

二回劇場に足を運びましょう。

 

これ言っとくけど冗談じゃなくてマジだから。

二回観るって最強だから。

 

 

■まとめ

時系列に関しては、駆逐艦の沈没シーンを軸にそれぞれのキャラクターの動向が追えてればそんなに頭を悩ます事も無いかもですね。

 

この映画は基本的には史実を元にしたフィクションです。

そしてダイナモ作戦の一部のみを描いている為、

この映画だけでダンケルクで何が起きたのかの全容を知る事はできません。

モノローグやナレーションによる解説もありませんしね。

 

故に言える事ですが、

さほど戦争映画とか歴史に興味ない方は、単純に各キャラクターが生き残るために頑張る姿と、彼らを救うために頑張る人達の姿を観る映画として捉えてしまっていいと思います。

史実がどうとか抜きにしてね。

ちゃんとそういう映画として構成されてると思いますし。

 

 

ちなみにイギリスはこの後に起こるバトル・オブ・ブリテン、そしてアメリカの参戦による米英の共同路線により、ドイツに対して大逆襲を行うことになります。

 

もしかしたら、この辺りの史実を認識しておくと、

この映画のラストシーンで描かれたもへの反応が変わるかもしれません。

チャーチルの演説がどうのこうののあの部分です。

 

演出も結構凝ってて面白いですし、かなり上質な戦争映画だと僕は思いましたよ。

 

ではまた。

 

マッドマックス/サンダードーム(1985年・オーストラリア) 簡易感想

鬱エンド、世紀末と来て、次はまさかの夏休みスペシャル路線。

 

『マッドマックス/サンダードーム』(原題:Mad Max Beyond Thunderdome)

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シリーズ第三作。

「マッドマックスはどれから観ても大丈夫」という説を確定付けた作品でもあります。

 

本作もやはり前作前々作とは別の路線の映画です。

子供たちがたくさん登場し(やはり前作同様に世紀末野生児なんですけどね)、内容としてもバイオレンスよりも分かりやすい冒険劇的要素を全面に出した作風です。

 

多分、前作での世界的ヒットを受けて、しかし一方で内容が内容なので子供達にはあまりお勧めできなかった為に、

その隙間となっていた子供たち向けに作ったのかも。

 

ところで「サンダードーム」ってサブタイトル、またいつもの邦題のやらかしかと思ってたら本家もサンダードームなのね。

 

出オチかよ。

 

マッドマックスシリーズは、『怒りのデスロード』が登場するまでは、

この三者三様の作風というのが一つの特徴だったと思います。

 

シリーズ的には第二作目の印象が圧倒的に定着してますが、

もしシリーズ未視聴であれば、むしろこの第三作を観て欲しいです。

 

冒険活劇っていいなあって、再認識できるかもしれません。

 

ではまた。

マッドマックス2(1981年・オーストラリア) 簡易感想

第一作目に対して10倍の予算をかけた結果、とんでもない世紀末が生まれてしまった。

 

 

 

マッドマックス2』(原題:Mad Max2:The Road Warrior)

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前作のラストで、妻と子供をバイカー共に殺されてしまい、

感情がエクスプロードしたマックス。

 

その後世界は核の炎に包まれ世紀末に。

そのせいでガソリンとかもう凄い希少品になってしまったので、ガソリン探しの旅をするマックス。

 

今作、あの『北斗の拳』のモデルにもなった世界観とビジュアルイメージはあまりにも有名、

というか、これこそマッドマックス的なひとつのアイコンにまで到達しました。

 

内容としては石油精製できる施設を持ってる人たちと、そこを襲って石油欲しい人達の抗争にマックスが(ほぼ自分から)巻き込まれに行く感じ。

 

一応、前作からバイカーとかの要素も引き継いでますが、

世界観から何からほぼ新規です。

 

世紀末世界で育ったらこうなるんだナ的な、いかにもな感じの野生児が登場しますが、

映画のラストでこの作品で描かれた内容は、その後成長して一族の長になった元野生児君の回想だった事がわかるという中々面白い構成。

 

しかしそんな難しいことは考えないで、前作より更に大規模で更に過激になったカーアクションと完全に気が狂ってるレベルの車の魔改造を楽しむ、単純にそんな映画なのかも。

 

ちなみに『怒りのデスロード』は、この『マッドマックス2』の路線を拡張した、もう本当に全てが頭おかしいレベルの傑作です。

 

ではまた。

マッドマックス(1979年・オーストラリア) 簡易感想

短い記事書く練習も兼ねて。

 

 

『マッドマックス』(原題:Mad Max)

 

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現在までに4作品あるシリーズの記念すべき第一作。

低予算映画である事は、視聴中になんとなく気づけるレベルで醸し出されていますが、

侮ってはいけないです。

 

カーチェイスシーンなんか迫真のカメラワークと限界越えたレベルのスタントで凄まじい迫力です。

 

マッドマックスと言ったら世紀末やヒャッハー!!!な世界観を思い浮かべる事が多いと思いますが、それは世界中で大ヒットした続編『マッドマックス2』のビジュアルなんですよね。

 

本作はあくまでバイカー(暴走族)と、それを取り締まる専門の警察達との抗争みたいなのがメインですし。

 

続編に比べると、スタントの狂気度を除くとわりと大人しく感じるかもしれません。

が、超絶胸糞な終盤の展開とマックスの感情の変遷は一見の価値ありだと思います。

 

ではまた。

ヴァン・ヘルシング(2004年・アメリカ) バレあり感想 ユニバーサル映画の名物モンスター達のお祭り騒ぎが観られる

 

ユニバーサルピクチャーズは、今年公開された映画『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』を第一作として、ダークユニバースというシリーズをスタートさせました。

これもホントは『ドラキュラZERO』って映画からシリーズが始まるはずだったのが色々あったみたいで。

 

で、このダークユニバースってのは簡単に言うと、ユニバーサルピクチャーズがこれまで生み出してきた、クラシックなモンスター映画をリブートさせて、

ついでに世界観も共有させよう!って感じの企画です。

 

既にザ・マミーのリブート(ハムナプトラを含めれば2度目のリブートになりますが)で作中にジキル博士を出したり準備は万端って感じ。

観てないけど。

 

将来的には、アベンジャーズ的な、モンスター大集合な映画もやりたいみたいですね、中々楽しみです。

 

 

 

ところでダークユニバースでやりたいこと殆どこの映画でやっちゃってるけどその辺りはどうなん????

 

 

ヴァン・ヘルシング』(原題:Van Helsing

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 ■あらすじ

バチカンが有する裏組織で、怪物ハンターとして暗躍する男ヴァン・ヘルシング

ジキル博士を倒した後、彼に新たな任務が与えられた。

それは、吸血鬼の王ドラキュラの討伐と、数世紀に渡り吸血鬼と対峙してきた一族の最後の生き残りを守り抜くというものだった。

 

 

■感想

 

めっちゃ面白いよこの映画。

多分もっとヒットしてても良かったよこの映画。

 

導入は白黒映画として始まります。

これがもう最初っから最高です。

ユニバーサルピクチャーの往年の有名モンスターっていうのは白黒映画時代に生まれたキャラクターばかりです。

フランケンシュタインの怪物、ドラキュラ、狼男、透明人間、ミイラなど。

 

これらの作品はその知名度、人気から何度もリメイクや続編が制作されています。

 

また作品の垣根を超えるだけでは無く一つのキャラクターアイコンとしてそれぞれが独立し、それぞれが人気のキャラクターでもあります。

 

本作をなんの事前知識も無く観た場合はそこまで惹きこまれないかもしれませんが、

アバウトにもユニバーサル映画の往年のモンスターたちが出てくる映画という事を認識していた場合、

この導入の惹きこまれ具合はかなり強烈だと思います。

 

だって出し惜しみなく、どんどん色々な有名なモンスターが出てきますし!!

 

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まずこちら、フランケンシュタイン博士と、本作のラスボスでもあるドラキュラ伯爵

いきなりこの二人が並んで出てくるとかもう絶対面白い映画じゃん。

 

 

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フランケンシュタイン博士が出るという事は当然彼の作り出した怪物も出てきます。

脳みそテスラコイル

 

ちなみに今作は、このフランケンシュタインの怪物がキーパーソンです。

 

この冒頭、イントロの白黒パートからいきなりこのメンツですよ。

村人に追い詰められるフランケンシュタインの怪物なんかまんま過去作のオマージュだったり、ところどころにしっかりとしたリスペクトが感じられる導入部でした。

 

そしてオープニングが終わると直ぐに登場する主人公のヴァン・ヘルシング

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めっちゃ上位者狩ってそうな風貌。

 

記憶を失い、とりあえずバチカン属の裏組織的なところで実際獣狩りしてる人です。

ブラボの元ネタって言われたら信じるよ。あれはクトゥルフ要素が強いけど。

 

まあ獣狩りも何もヴァン・ヘルシングさん自体が結局最後は狼男になるんですけどね。

 

はい。

 

元々は初老の大学教授として世に生まれたヘルシングも、一度目のドラキュラの映画化以降長い年月を得てどんどんそのキャラクター像は変化していきました。

そして今では超一級の超人怪物ハンターにまで出世したんですよ。

 

映画でヘルシングが最初に対決するのが、これまたユニバーサルピクチャーズの名作映画から登場、ハイドくん(ジキル博士)です。

時代のおかげか、全身フルCGでより怪物チックになってます。

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この映画観てるとよくわかるんですが、基本的に登場するキャラクターは元の映画の設定とかを結構忠実に再現してるんですが、

なぜかハイドくんだけは元の映画よりも色々と雑に描かれてた気がします。

ジキル博士の欲望と狂気が爆発した側面というより、単にハルクっぽい怪物って感じで。

 

これは仕方ないんですけどね。

というのも『ジキル博士とハイド氏』はサスペンスに注力した作品であり、厳密にはモンスタームービーでは無い訳ですし。

 

また、上でもちょっとネタバレ含め触れてますが、

狼男も登場します。

 

しかも複数。

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なんならこいつもドラキュラ倒す為のキーパーソン的キャラクターに位置づけられていました。

 

本作では合計三体の狼男が出てきます。

一体はドラキュラの手下的なポジションで、

こいつに噛まれたヴェルカン(ヒロインであるアナの兄です)が二人目の狼男に。

 

そしてそのヴェルカンに噛まれて主人公のヘルシングも狼男になります。

 

 

 

多分この映画の一番面白いポイントなんですよ、ヘルシングが狼男になるって展開。

 

これって、この映画ならではというか、こういうお祭りみたいな映画だからこそできる大胆な展開だと思います。

 

やっぱりやってる事はシェアードユニバースのそれに近いんですよね。

各モンスタームービーの特色を盛り込みつつ、それらをクロスオーバーさせてより面白いストーリーにしていますし。

 

だからこそ、ユニバーサルピクチャーズが新たに展開したダークユニバースというシェアードユニバースはどういった方向になるのか気になります。

こんな素晴らしいお祭り映画を過去に作っている訳ですし。

 

今のところ、ダークユニバースの第一作目である『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』の評価を観てみると、

モンスターバトルという路線こそ本作と同じですが、

よりバトルに傾倒しちゃってるみたいで、

元々がホラームービーであるという強みがあまり活かされてないっぽいですね。

ハムナプトラ』ほどドタバタにもせず、かと言ってダークになり切れてもいないみたいで。

観てないからあまり言いたくないけど。

 

 

本作『ヴァン・ヘルシング』は、系統こそモンスターバトルですが、

エンターテイメント性のあるドタバタ感はしっかり内包しています。

 

随所に笑えるシーンが仕込まれていて、単純なモンスタームービーのミックスには留まっていないところが個人的に好きなのかもしれません。

 

墓守のおっちゃんのスタイリッシュ墓穴シュートとか笑わない奴いないんじゃない?

 

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ストーリーはシンプルですし、映画の半分くらいアクションシーンでドタバタしてますし、

個人的にはかなり好きな部類の映画でした。

 

 

■まとめ

 

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ハリウッド、いや全てのバトルシーンのある映画に捧ぐ名台詞。

 

 

基本的にドラキュラやら狼男やらを知ってれば楽しめる映画です。

知らないよっていう人は流石に少ないはずですし、そういう点ではかなり幅広い層にオススメできる映画です。

 

内容も雰囲気も重たさはありませんし、直球のエンターテイメント映画と言っても良いのかもしれません。

 

そんな作りでありながら、ちょっとコアなモンスターフリークな人に向けた要素もしっかりあって(鏡に映らないドラキュラとかそういうモンスターの設定みたいな部分が大部分ですが)、なぜヒットしなかったのか僕には判りません。

 

超オススメです。

 

ではまた。

 

 

10 クローバーフィールドレーン(2016年・アメリカ) バレあり感想 良くも悪くもJJエイブラムスって感じの映画でした

『10 クローバーフィールドレーン』(原題:10 Cloverfield Lane)

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おっ、クローバーフィールドか!

 

 

 

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えっ、何それは……。

 

 

 

 

youtu.be

 

 

 

■あらすじ

喧嘩だかなんかで彼氏と同棲していた家を出ていったミシェル。

ミシェルが夜道を車で飛ばしていると、背後から来たトラックに追突されて大きく転倒してしまった。

 

目を覚ますと、ミシェルは見覚えの無い少し薄暗い殺風景な部屋に居た。

腕には点滴が打たれ、けがをした右足にはプロテクターと、鍵で固定されたチェーンが取り付けられている。

 

部屋の扉は頑丈そうな素材で、鍵は中からは開けられ無さそうだった。

 

ミシェルは必死に脱出しようとするが、そこに一人の大男が現れる。

大男の名前はハワード。

ハワードは暴れるミシェルに鎮静剤を打ち眠らせる。

 

ミシェルが再び目を覚ますと、ハワードが椅子に腰かけていた。

そして、ハワードから「世界が何者かに攻撃され、外気は汚染されてしまった」という話をされる。

また、ここがハワードの持つ農場の地下に作られたシェルターである事もハワードは説明する。

 

シェルターには他に、エメットという青年も居た。

そして三人はシェルターでの生活を始めるのだが……。

 

 

■感想

 

 

・序盤は状況説明が多め

 

ミシェルがハワードの地下シェルターで目を覚ましてから、鍵を奪って外に逃げ出そうとする辺りまでを序盤とすると、ここは結構説明が多いパートだと思います。

 

基本的にミシェルの視点で物語が進むので、彼女と一緒に状況を視聴者も把握していく感じ。

 

なのですが、もういきなり伏線的なものをばらまき通してくる訳です。

 

いかにもJJエイブラムスといった作り。

最初からたっぷり味わえます。

 

ただ、この序盤に謎や設定をばらまくという構成で且つ監督がこの人となると、嫌な予感がする人も多いと思います。

JJエイブラムスはこの手のサスペンス的要素のある作品、とりわけドラマ『LOST』でやらかしてる事を忘れてはいけません。

 

伏線の組み込み方は本当に上手いです。

が、それが綺麗に気持ちよく回収されるかというとそれはまた別問題です。

かといって、謎は謎のままで……みたいな作りにも成りきらないので結構厄介なことになるんですよね。

 

考察させたがりなんでしょうね、JJエイブラムスは。

観た後にも楽しみを作りたい、楽しみを残したいという。

 

序盤はそんなエイブラムスっぽさが発揮されまくってました。

 

 

 

・中盤からは密室でのサスペンス的展開が加速

外に逃げ出そうとしたミシェルが、シェルターの外にいる顔が半分爛れた女性から助けを求められるシーン、ここ以降が中盤だと思います。

 

ここから先はかなりのびのびと作られているというか、物語の展開から見せ方、各キャラクターの背景掘り下げなんかが無理なくストーリー上にまとめられていて楽しく観られます。

 

そして、割と平和に三人で暮らしてる中ある日ミシェルがハワードの嘘に気付いてしまい、エメットに相談して脱出の為の計画を立てる展開になります。

 

この辺りの展開はかなりサスペンス的というか、結局ハワードが言った事は全部ウソなのかホントなのかみたいな部分にもフォーカスが当たって、物語の謎がより深まってます。

 

ただ一つ気になったのは、ハワードの一つの嘘が発覚したからと言って、他の発言も全部ウソだとほぼ認定するという、エメットとミシェルがあまりにも一方向的な思考をしていた点。

 

この辺りの描写は流石にミスリードさせたろ!感が滲み出てました。

 

 

あと中盤と言えば、エメット死ぬの普通に悲しい。

しかもわりかしあっけなく死ぬし遺体は酸でドロドロにされるし。

ただ、個人的にはエメットというキャラクターそのものについても、ちょっと気がかりがありました。

 

 

・そもそもエメット抜きでもこの映画は成立してる

 

この映画、ミシェルが目を覚ますとハワードの地下シェルターに匿われていて、

外は危険だからっつってそこで暫く暮らしてたらハワードが嘘ついてた事が判明して、

シェルターから逃げ出す為の作戦を立てて、

ハワードを倒してシェルターから脱出して、

そして終盤はそれまでのサスペンス的展開をぶん投げて『宇宙戦争』ばりの展開になります。

 

ストーリーの軸は全てミシェルとハワードで回してます。

 

 

そう考えるとエメットというキャラクターはこの映画には必要がない……。

 

もちろんサブキャラとして単に出しただけかもしれませんが、この手の、映画の始まりから終わりまで出てくる人物がごく少数に限られるタイプの作品でそんな隙間を作るかと思うとどうも……。

 

ハワードの嘘が発覚するシーンで、一見するとエメットの発言が決定打になってる感もありますが(ハワードが娘と言っていた女性の写真は、実はエメットの知り合いでハワードの娘では無かった)、

ここもミシェルは、その少し前のシーンでほぼ確信を持ってエメットに相談をしていますし、実はなくてもあんまり問題なかったり。

サスペンス的には衝撃の事実がわかるシーンですが。

 

やっぱりエメットは主軸にはほぼ関わってこないキャラクターです。

言ってしまえば完全なモブに徹しているように見えます。

 

 

何が言いたいかというと、

JJエイブラムスがそんな無駄なキャラクターをわざわざ出す訳が無いんじゃないかという事です。

つまり、エメットにも実は何か重要な要素があったんじゃないかという事です。

 

 

 

・ハワードとエメットの描かれ方

 

序盤から終盤まで、ハワードのキャラクターは、どこか高圧的で支配を好むが基本的には注意深く物事の動向を観察する男みたいな感じで描かれます。

家族に飢えた寂しい男としての要素も見え隠れしますが。

 

そして嘘ついてたり、実際に人殺してたりします。

 

なので、映画を観ている間の印象としては”悪い奴”感が演出されます。

 

一方エメット、劣等感から大学を去った過去を持ち、過去にハワードのシェルター作りを手伝った縁でここに来た普通の青年といった感じ。

やっぱもう完全なモブやんけこいつ。

 

と思ってたんですが、ちょっと待ってください。

まず、エメットは他二人に対してあまりにもキャラクターが掘り下げられていなさすぎませんか。

自分の身の内こそ少し語るものの、他に何をしていたのかとか、どこに住んでいたのかとか。

 

ほらこの手のキャラクター、何かありそうじゃん。

 

更にハワードを明確に悪役に描いてたところも気になります。

所謂ミスディレクション的な事を仕掛けていたように感じました。

 

ハワードが過去に監禁し、恐らく殺害した女性が、シェルター作りを過去に依頼したエメットの妹の同級生であるブリタニーという少女という点も単なる偶然には思えません。

 

また、エメットは作中やたらハワードの銃を奪い取る事に固執しているようにも見えました。

もしかしたら、エメットがシェルターにやってきたのは、単に避難する為だけじゃなかったんじゃないでしょうか。

 

過去にハワードによって殺された女性がエメットの妹の同級生であると発言があります。

例えばこれが、単にエメットの妹の同級生では無く、エメット本人とも何かしら関係のあった、というか恋人だったとかそんなんで、ブリタニーが殺された事を突き止めたエメットが復讐の為にハワードのシェルターにやってきたとか。

 

そんなんだったら面白いなと妄想しました。

 

 

・終盤から別の映画になる

 

 

いやホントに宇宙人出てくるんかい!!!

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しかもこの宇宙船が登場する瞬間に「ベーーーーーーーン」みたいな、『宇宙戦争』(2005年の方)でトライポッドが起動した瞬間に聞こえるシンセ丸出しなSEに近い音が鳴り響いてて、もうなんか、なんか、笑わせに来てた。

 

終盤では、結局ハワードの言っていた「攻撃を受けた」ことはホントだったことが分かります。

外気が汚染されたというのは半分本当で半分は間違いだった事も分かります。

というのも、この宇宙船はどうやら人間を始末するのに細菌兵器っぽい緑のガスを振り撒くようで、それを直接浴びると映画中盤で出てきた皮膚が爛れた女性みたいになっちゃうみたいです。

 

 

まず言いたいことがね、

宇宙船が脆すぎ!!!!

宇宙人の索敵能力がガバすぎ!!!!(この辺りも05年版宇宙戦争リスペクトか)

ミシェル運良すぎ!!!!

 

正直、ここに至るまで割と上質なサスペンスが展開されていた訳ですし、

この終盤の展開は要らなかったんじゃねえかな……。

 

ただ、序盤のハワードの発言の真偽であったりなど一応伏線の回収には一躍買ってはいます。

 

正直、ミシェルが外に出て、空を飛ぶ鳥の群れや虫の鳴き声で察したシーン辺りまでで十分だったようにも思いました。

 

 

 

 

 

 

■まとめ

クローバーフィールドの精神的続編って、結局どういうことだったんだよ。

 

一応前作扱いになるクローバーフィールド/HAKAISHAとは、たしかに共通する点も見受けられます。

例えば、撮影手法は違えど、両作品とも一つの視点から状況に放り込まれて何が起きているのか徐々に判明させていく構成とか。

 

ただ、やっぱりクローバーフィールドの印象を持ってこの映画を観ちゃダメかもしれませんね。

 

むしろ、ぶっ飛び系のラストがある密室サスペンス映画として観れば結構楽しめるはずです。

普通に面白いですからね。

もっとも、JJエイブラムス監督の作品なので、案の定フォローしきれていないレベルの察し投げラストではありますが。

 

そして、更に続編の制作も企画されてるそうです。

という事はやっぱり世界観的にはクローバーフィールドと本作は同じ世界の話だったりするんでしょうか?

 

とにかく今後は、一応の三部作扱いになるのかもしれませんね。

 

 

ではまた。

処刑人II(2009年・アメリカ) バレあり感想 王道感はそのまま、更にバカっぽさを増量

個人的に、僕は第一作目よりこっちの方が好きでした。

 

『処刑人II』(原題:The Boondock Saints II: All Saints Day)

 

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youtu.be

 

 

■あらすじ

二人の兄弟のボストンでの活躍から約8年後、兄弟は父親と共にアイルランドの辺境でひっそりと静かな日々を送っていた。

だが、そんなある日、ボストンで神父が殺されるという事件が発生。

神父の遺体は兄弟が処刑を行った悪人に施す様式と同じものが施されていた。

 

この事件を知らされた兄弟は、それが兄弟に対する挑発であると気づきながらも直ぐにアイルランドを離れ、ボストンに向かう。

そして、自分達を挑発し、ボストンに向かわせた人物を探す為、再び活動を開始した。

 

 

■感想

 

前作の空気感、作風はそのままにいろんな面がグレードアップされています。

単に映像技術的な部分だけでは無く、前作から更に増えた登場人物や見せ場、

また、登場人物が持っている音楽再生機器がCDウォークマンからmp3プレイヤーになっていたり時代的な部分でも。

 

キャラクターの描き方とストーリー面も、双子の父親であるノアさん(前作では最強の刺客イル・ドゥーチェ)の掘り下げ要素なんかがそのまま本編の主軸に関わっていたり、

内容のボリュームもだいぶアップしてました。

 

マフィアとの戦いという部分も健在です。

今回敵対するマフィアは、前作で双子がラストシーンで処刑したイタリアンマフィアのボス、ヤカヴェッタの息子がそのまま組織を引き継いだものになります。

 

そして、組織の背景に更に黒幕が居る事が次第にわかり……みたいな流れです。

 

この黒幕が、オールドマンと呼ばれるルイさんというおじいさんです。

ルイさんとノアさんは昔馴染みでした。

 

父親が不条理に殺害されてしまった事がきっかけで復讐の鬼と化したノアを、ルイが作戦建てをしたりしてサポートするという関係だったのですが、

ある日ルイがノアを裏切った事でノアは逮捕され収監されてしまいます。

それ以降、この二人は接点も無い状態に。

 

 

 

 

 

ちょっと待ってね。

 

そんな関係の二人なので、お互いに思う所があり、映画の後半で再会してからやっぱりそれが爆発する形で戦闘にまで発展するんですが、

ノアは前作で、ルイが黒幕に付いているイタリアンマフィアの最強の刺客として登場してる訳ですよね?

 

これはどういうことなんだ。

 

あと、ルイもルイで、「俺はある人物の命令に従って動いてお前を裏切った」的な事を言い出すわけですが。

 

 

じゃ更に黒幕が居るって事かい。

 

プリズン・ブレイクのシーズン3辺りの空気感を感じたよこの辺り。

 

続編への伏線なんでしょうが(続編の制作は決定してるっぽいです)、こうやってどんどん黒幕の更に裏の裏が居る展開っていうのは最終収束が見えてこないので結構不安覚えました。

 

と、ツッコミどころみたいなのもところどころ見え隠れしますが、

それらをほとんど吹き飛ばすくらい他の部分が面白いです。

 

 

■まとめ

 

最後の最後にスメッカーが出てくる展開とかさ、そういう王道的な胸アツ要素を惜しげもなく使ってくるから最高だと思う。

 

内容としても、「街のゴロツキを排除してやるぜ」って感じの前作に対して、

今作は「俺達の真似事して罪の無い人間を殺したやつを許さん」から始まり最終的に黒幕との勝負になるという、実に続編らしい作りです。

 

一方で前作からの面白要素はしっかり引き継ぎ、一部のキャラクターはよりフォーカスされ、続編ならではの武器であるファンサービス、

例えばマーフィのロープとか、

映画のシーンの真似事とか、

前作で死んだロッコが夢の中で出てきたりとか、

そういったサービスも惜しげもなく投入されるので、

面白さで言えば前作越えしてると僕は思いました。

 

あと、前作のロッコのポジションを引き継いだと思われるロミオが最後まで死ななくてよかった。

 

 

ではまた。

処刑人(2000年・アメリカ) バレあり感想 全然シリアスな映画じゃねえからこれ

ホント、マジで、全ッッッッ然シリアスな映画じゃねえからこれ!!!

 

『処刑人』(原題:The Boondock Saints)

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ノーマン・リーダス若過ぎ。

TWDでダリルを演じているノーマン・リーダスのファンになって以来、

なんとなく観てみようと思い続けて、ようやく視聴できました。

 

シリーズは、本作『処刑人』および『処刑人II』(2009年)があります。

が、最近第三作の制作とドラマ版の制作が発表されたようです。

イムリーな時期に観られてよかった。

 

 

 

 ■あらすじ

コナーとマーフィの双子の兄弟は、アイルランド人たちのお祭りの日の夜に、酒場で喧嘩を売ってきたロシア系マフィアを殺害してしまう。

警察に捕らえられた二人だが、正当防衛が認められ即日釈放されることになった。

その日の夜、署内に泊めてもらった二人。

眠っている彼らは突如啓示を受けた。

 

そして翌日から二人は街にはびこる悪人たちを抹殺するべく活動を開始した。

 

 

■感想

・キャラクターがみんな引き立っている

 

 

ガイ・リッチーの映画っぽいです。

空気感としては『スナッチ』とかが好きな人には大ウケするんじゃないでしょうかこれは。

或いはタランティーノの『パルプ・フィクション』なんかが好きな人も絶対好きだと僕は思います。

 

正直、ノーマンリーダス目当てで観ただけなので、思いの外面白くて個人的には大当たりの映画でした。

 

登場人物が皆良いキャラしてます。

主役のコナーとマーフィの二人は普段はホントにただの良い奴ですが、やる時はしっかりキメる感じの若者です。

悪人のアジトを襲撃する方法が、

マーフィの観た映画でやっていたことをまんま真似ていたり、

ついさっきまで銃撃戦をやっていたのに、そのすぐあとロッコ(二人の友人のイタリア系マフィアの運び屋)にドッキリを仕掛けて爆笑したり、

ちょっと抜けてるところもあって面白いです。

 

あと射撃能力がやたら高い。

 

それまで殺しを全くやった事が無いとは思えない神がかったエイムでバンバン悪人を撃ってました。

絶大な主人公補正を味わえます。

 

二人の友人であり一緒に活動することになるロッコも、ある種のツッコミポジション的な位置にいながら本人もかなりぶっ飛んでいる感じで、サブキャラでありながら埋もれる事が無い面白さを発揮してました。

 

そしてFBIのスメッカーと、ボストン警察の三人の刑事も面白い。

スメッカーと三人は、コナーとマーフィを取り締まる側の、映画的には敵側に近い位置にいるキャラクター達なのですが、

こちらも主人公組に負けず劣らずのぶっとび方をしてました。

 

スメッカーはそれでいて超有能な捜査官でもあり、物語を進める為のある種のキーマン的な位置のキャラでもあります。

しかし脚本の為だけに用意される事が多いその手の他の映画のキャラと違い、スメッカーは最後まで中身たっぷりのぶっ壊れっぷりを持続させてくれるので、映画全体のテンションがしっかり保たれていました。

 

とにかく出てくるキャラクターがいかにもなコメディタッチで描かれています。

が、この映画はシリアスにキメるところではしっかりシリアスに描いているのが凄いです。

 

 

 

・内容は意外としっかりしてる

 

形としては、

二人の双子兄弟が啓示を受けて、悪人を抹殺する活動を開始する

→それをFBIと地元警察が追う

→街を支配しているロシアンマフィアとイタリアマフィアを兄弟が倒す

→当初反目していた捜査側も協力する

→ラストは悪人絶対ぶっ殺すマンと化した二人が世界に向けてメッセージを発する

 

みたいな流れの映画です。

意外とストーリーそのものは王道系なんですよ。

 

そこにコメディ調の作風をエッセンスとして加えている事で、

硬くなりすぎないようにしているのかも。

 

また、描写が細かく分けられているのも特徴かも知れません。

細かい暗転とシーンカットで主人公、捜査組、マフィアたちのストーリーをうまく組み合わせています。

 

この手法は極めて群像劇的で、本来であれば次第にストーリーが繋がっていく楽しさを出すときなんかによく観られる感じがあります。

 

が、この映画ではストーリーはとても分かりやすく構成され、一本道で基本進んでいくのが面白いです。

 

・その他

 

劇中BGMやテーマ曲にケルト民謡的な奴が多用されていて、これもまた映画全体の雰囲気を重くさせ過ぎないようになっていると思いました。

youtu.be

 

やたら陽気ですからね。

 

一方バトルシーンなんかでは気の引き締まった調子いい感じの曲も使われてます。

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00年代頭のブレイクビーツ感が漏れ出してる。

 

 

バトルシーンというか、戦い方がどの場面も面白い要素たっぷりですし、

会話のセリフもいちいち面白いです。

 

あと、作中双子が唯一手こずった相手であり、ロッコの指を吹き飛ばした、双子のパパが銃を6丁搭載できるホルスター着込んでましたが、

遠景が完全に緊縛された変態のそれでした。

続編でもみっちり出してきやがったし。 

 

ユーモアに塗れまくっている映画でした。

 

■まとめ

 

街に蔓延る悪人を、啓示を受けた双子の兄弟がぶっ殺しまくる、基本それだけの映画です。

しかし挟み込まれるユーモアの数々と登場人物のキャラが立っていて非常に面白いです。

 

基本はコメディ調な部分が多いですが、キメるところはしっかりやってるので全編ふざけ切ってる訳ではありません。

楽しさという点ではほとんど不満点がない映画でした。

強いていうなら、後半の展開がそれまでよりも急ぎ足気味に感じたかなっていう程度。

 

ではまた。

 

主のために守らん
主の御力を得て
主の命を実行せん

川は主の下へ流れ
魂はひとつにならん
父と子と聖霊の御名において

 

フォース・カインド(2009年・アメリカ) バレあり感想 宇宙人関係の映画の中じゃわりと異色?

 

モキュメンタリー調なんですが、ちょっと他のモキュメンタリーとは違った面白い手法が使われていてどんなテンションで観たらいいのかよくわからない映画でした。

 

フォース・カインド』(原題:The Fourth Kind)

 

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youtu.be

 

■概要

タイトルであるフォースカインドとは、J・アレン・ハイネックが提唱した接近遭遇の3分類という考え方を元に、一部のオカルト研究家なんかが提唱するUFO或いは未知の存在からの誘拐を指す第4種に由来しているそうです。

 

そんなタイトルがついてるのでこの映画、当然ですが宇宙人関連の映画という事になります。

 

舞台はアラスカ州ノーム。

ここでは謎の失踪事件が多発しているそうです。

この映画では、その失踪事件の謎に迫るような一面もあります。

 

全編にわたって、実際の記録映像と一部を再現したVTRを組み合わせて、宇宙人に遭遇した人達の顛末を描くみたいな感じ。

なので『仰天ニュース』や『アンビリバボー』の1コーナーを長編化させたみたいな感じです。

 

 

■感想

・モキュメンタリー作品としてはちょっと個性的

再現も何も全部フィクションなんだけどね。

 

モキュメンタリーは観ている側に本当に起きた事なのだと思わせるように色々仕込んで映画として形にしていくわけです。

 

モキュメンタリーと言えば有名なのが『ブレアウィッチ・プロジェクト』ですが、

ブレアウィッチ・プロジェクトの成功はその後の映画界に大きく影響を与えたと個人的に考えています。

 

低予算映画ならではの手法を一つの撮影方法として確立させた点。

POVという手法で撮影される映画がこの作品以降数多く制作されています。

POVという手法自体はモキュメンタリーに限らず、普通の映画の中でも頻出するようになりましたし。

ただこの一人称視点に関しては、FPSゲームの世界的流行も相互的な影響があるので全てが全てって訳では無いですが。

また近年はVRの登場で、より一人称視点というものがフォーカスされてきているので、POVという手法を用いた映像作品はますます増えるような気がします。

VRで手ぶれブレブレのあれを観たら余裕でゲロ吐きそうですが。

 

 

 

映画の形式自体もブームになりました。

ブレアウィッチ・プロジェクト』以降『パラノーマル・アクティビティ』のようにファウンドフッテージ物が多く登場します。

 

そういう流れというか、背景があった事を踏まえて『フォース・カインド』を観てみるとちょっとそれらとは違う形式のモキュメンタリーなんですよね。

 

再現ドラマ(という体の)パートでしっかり有名どころの役者を使いつつ、実際の記録映像(という体の)パートを組み合わせる事でモキュメンタリーとして成立させるっていうごり押し感、俺は嫌いじゃない。

 

わざわざ映画の冒頭で、主演のミラ・ジョボビッチに「○○を演じたミラです」みたいな事を言わせて、念押ししているのも面白いです。

 

・内容はちょっとオカルト的なものが好きな人はかなり楽しめるかも

 

この映画は、要は「宇宙人に誘拐された人達」の記録映像(という体のフェイク)を追っていって、信じるか信じないかはあなた次第的なことをやるためだけの映画です。

 

ですが取り扱ってるのはそれだけじゃないです。

シュメール人は実は宇宙人だったみたいな部分であったり、

所謂古代文明が栄えた背景には宇宙人なんかが関与してるみたいな説ってかなり人気の高い俗説なんですよね。

 

作中でもちゃんとその辺りの説の一部を取り上げていました。

というか作中では古代文明(ここではもろにシュメール文明ですが)はそのまま宇宙人がダイレクトに関係した文明であるというのがほぼ確定する形になります。

 

この辺りを取り上げているというのは結構意外で面白かったです。

 

が、作品そのもののメインテーマにはそこまで絡んでないという。

 

古代文明の背景には宇宙人がいる説を取り上げたこと自体は面白いですが、

「宇宙人に誘拐される人間たち」を描いたモキュメンタリーにこれをぶち込むならもうちょっとうまいやり方あった気がしました。

 

 

・フクロウ

 

どんなに視力悪くてもどんなに頑張ってもグレイ型宇宙人はフクロウには見えねえから。

 

とか言ってますけど、実際作中でフクロウに似ているとされる宇宙人はグレイ型とかじゃないかもしれないですね。

 

でも、そもそもこの序盤から出てくる「フクロウの夢」って要素は、ちょっと無理やり謎を張り巡らそうとしていたような感じがして好きでは無かったです。

 

それも中盤どころかわりと序盤で「実際はフクロウじゃない」事を早々に明かしてしまうので、その点を予想しながら観るっていう楽しみ方があまりできませんでした。

 

・その他

 

記録映像に出てくるタイラー博士の外見が作中一番のホラー要素。

 

 

■まとめ

 

一風変わった作風のモキュメンタリーです。

宇宙人にさらわれたタイラー博士へのインタビューと、実際の記録映像という体のフェイクと、再現パートから成る映画ですが、ちゃんと起承転結の構造の中に納まった作りになっています。

 

ちなみに僕はこの映画初見ではマジで起きた事なんだと完全に信じて途中まではワクワクが止まらなかったことを覚えてます。

 

流石に終盤のタイラー博士宅で、警察官に監視される中宇宙船がタイラー博士の家に飛来するシーン辺りから「これフェイクだ」って気づいちゃいました。

 

保安官のオーガストがあまりにも察し悪すぎてな!!!!

 

タイラー博士も監視してた警官も「宇宙船が来て娘さらった!!」って言ってるのに、それでも最後まで博士は妄想に取りつかれてると信じて疑わない無能。

 

そして、映画が公開されてからしばらくして、「全ては嘘だったんだよノームの街のみんなも勝手に巻き込んでごめんね」みたいな声明が発表されて更にがっかりした思い出があります。

 

 

 

でも多分、映画観た後に変にググったりしなければ信じ切れるだけのクオリティにはなっているはずです。

 この記事読んでくれたって事は変に調べちゃったって事ですが。

 

 

ただ、モキュメンタリーの一手法としてはドラマパートと記録映像という形式は面白いですし、クオリティも低くは無いので楽しめますよ。

 

ではまた。