ロング・ロード・ホーム 第1話 バレあり感想 対テロ戦争としてイラク戦争が泥沼化していったキッカケの事件をドラマ化した作品
戦争ドラマも映画も色々なパターンがありますが、
今作は米国の視点からイラク戦争における戦闘を描いた作品です。
故に描写としては結構アメリカ寄りに感じる部分があります。
プロパガンダムービーみたいなちょっと臭めの描写もあります。
つまりそういうタイプのドラマですね。
ただ、第1話時点なのでまだあまりどういう方向性なのかは分かりませんが、
ドンパチやってUSAコール!みたいな極端なやつでも無さそうです。
つまるところナショジオっぽいドラマ。
第1話「戦争へ」
■ストーリー
2004年。
イラク戦争が始まり1年が経ったこの時期、アメリカはイラクの復興支援として続々と兵を現地に投入していた。
シェーン・アグエロ中尉もその内の一人だった。
この時期のイラクは大規模戦闘終結宣言が出された直後であり、米軍を初めとした国連の治安維持部隊と現地人との衝突は少なかった。
故にシェーンも、家族との別れを済ませ、コマンチ・レッド小隊の仲間と共にリラックスしたムードで現地に到着する。
バグダッドの貧困地区のパトロールについていたコマンチ・レッド小隊は、突如奇襲を受け戦闘に突入する。
車両が破壊され、仲間が負傷する。
そして装甲を施されたハンビーも一両しかないという絶体絶命の状況に陥ってしまう。
■感想
「ブラックサンデー事件」という、実際に起こった米軍とシーア派の民兵との大規模な衝突事件をモデルにしたドラマです。
諸要因は勿論これ以外にもありますが、この事件をきっかけにイラク戦争は泥沼化していきます。
というのも、構図が国家対国家から国家対組織にシフトしていったからです。
イラク戦争って最終的な終結宣言は2011年に出されてる訳ですよ。
大統領もブッシュからオバマに変わっちゃいました。
それだけ長い時間がかかって、しかも悲しいがな宣言後も事態は収束したとは言えない状況でした。
ある種その発端となる事件を映像化したっていう点で結構興味深かったんで楽しみにしてました。
この1年後に『ハート・アタッカー』(ハート・ロッカーじゃないよ。こんなパクリみてえな邦題付けた奴は反省してね)で描かれた「ハディサの虐殺」とかが起こっていきます。
そういうことで、イラク戦争においてかなり重要な事件でもある訳です。
第1話の流れとしては、現地の治安維持と復興の為に兵たちが招集されて、
現地に着いてしばらくはリラックスした感じで過ごしていて、
そして発端となる戦闘の、その最初の出来事が起きる、って感じでした。
やっぱり家族愛とか、現地人と米軍の交流とか、そういう描写に結構時間割いてましたね。
ただ、通訳さんの扱いに関しては他のイラク戦争を描いた作品よりも良かった。
イラク戦争を描いた作品の米兵って、結構な割合でどこか通訳さんにナメた態度とる奴ばっかりだったからね。良い事ですよ。
きっかけの中のきっかけを描いただけなのでまだ何とも言えませんが、
少なくとも現時点では面白いです。
少ないながらも戦闘描写もかなり力入れてましたね。
銃撃戦のシーンは流石。
ただ、導入部分の話ではあるので、今後戦闘は激化していきますし、
この辺りの描写はより凄惨な事になっていきそう。怖いね。
■まとめ
全8話らしいんで、わりと気軽に観れるかもです。
イラク戦争ってもう14年も前に起きた事ってわりと実感無いですよね。
戦争映画ばっか観てっから感覚がマヒしてるだけでしょうけど。
ちょっと今のところプロパガンダ臭がまだキツめでそこだけ興醒めポイントですが、
中々良い出来のドラマになりそう。
ではまた。