趣味と向き合う日々

映画やドラマなどの映像作品を中心に気ままに書いています。これまでこちらのブログで更新していたプラモ等の記事は近々別のブログを作ってそちらでやっていこうと思います。カテゴリ枠増設しました。

殺人ゲームへの招待(1985年・アメリカ) バレあり感想 トリッキーに魅せる巧妙なコメディ風ミステリー。或いはミステリー風コメディか。マルチエンディングもあるよ!

 

 

 

この映画、僕の好きな映画レビュアーの方々の多くがオススメに名前を挙げていてずっと気になっていました。

今回Huluでようやく観る事が出来たんですが、これは確かにオススメしたくなりますね。

 

原作に当たるものがイギリス発祥のクルードというボードゲームだそうです。

ボードゲーム由来という事もあってか、色々な意味で楽しい映画になっています。

内容はちゃんとミステリーしてるんですが、コメディ全開なドタバタと極めてトリッキーな展開が続きます。

 

 

 

『殺人ゲームへの招待』(Clue)

殺人ゲームへの招待 (字幕版)

殺人ゲームへの招待 (字幕版)

 

 

 ■ストーリー ※ほぼネタバレ

 

おどろおどろしい感じの館に、晩餐会の名目で集められた6人の男女。

彼ら彼女らはそれぞれが人には言えない秘密を持つ。

 

6人はミスターボディと名乗る男に集められたと思いきや、遅れてやってきたボディ本人も招かれ客だと言う。

 

館の執事ワーズワースが皆が集まった理由を語った後、部屋の明かりが一瞬消え、銃声がとどろいた後、ミスターボディが殺されてしまった。

実際ミスターボディはその時は死んだふりをしていただけだが、結局直ぐに殺される。

 

こうして犯人探しが始まるわけだけど、なんだかんだ色々あって死体はどんどん増えるし謎は深まるしメイドのおっぱいは凄いしホラーゲームよろしくな仕掛け扉がたくさん出てきたりする。

 

結末は三つもあるけどどのルートでも基本的に最後は誰かしらが警察かFBIである事を明かして、外から大量に警官が館に押し寄せたりしてハッピーエンドだ!

 

 

 

感想

 

この映画、劇場公開当時はマルチエンディング採用して、映画館ごとに別の結末を放映したらしいです。

今回僕が観たHuluで配信されているバージョンでは、3タイプ全てのエンディングが収録されている物になっていました。

 

 

 

一つ目の結末を観た後エンドロールに行くのかと思いきや「こんな結末はどう?」みたいな謎のおかわりイベントが発生して、結末その2の映像に変わります。

それを観終えると「これがトゥルーエンドだ」的な感じで結末その3が観れます。

確かにこの結末その3が一番面白いっちゃ面白い感じの落とし方をしていました。

 

また、結末が三つある=殺人犯がそれぞれ別のキャラになるので、一方の結末では重要だった要素が、他方の結末ではブラフになっているなどトリッキーな構成になっています。

 

その為、コメディ風ミステリーという作風でありながら、映画を観ながら犯人を予想するのは極めて困難ですていうかほぼ無理です。

 

そんじょそこらのミステリーやサスペンスの比じゃない難度です。

当時劇場で観ていた人達なんてもう大変だったんじゃないこれは。むしろネットがある今公開されていたとしたらより話題になっていたかもしれませんけど。

 

如何せん結末以外の本編は共通ですからね。

共通のパーツ使って結末だけ変えているので、裏を返せばどのキャラクターも等しく白であり黒になっています。

 

その為、映画を観ながら犯人の予想立てをするという観方よりも、劇中で巻き起こるドタバタ展開に身を任せて楽しむのがベストかもしれません。

この映画自体、そういう方向性で組み立てられている気がします。

 

 

また、三つの結末を連発で観たからこその感想かも知れませんが、結末が違うからこその驚きもありました。

 

2つの結末で警察或いはFBIだった執事のワーズワースが、トゥルーエンドでは真のミスターボディであったり、逆に2つの結末では白だったミスターグリーンがトゥルーでは探偵/FBIだったりと、各キャラクターの真の役割が結末によってそれぞれ違うというシステムが非常に面白いです。 

 

 

 

特に結末その3、トゥルーエンド的扱いのこの結末が個人的に一番好きです。

ミスターボディ(この結末に於いては影武者ですが)を殺した犯人と、ボディ以外のキャラクターを殺した犯人が全て別のキャラであるという、『オリエント急行殺人事件 (字幕版)』よろしくな展開。

 しかも探偵ポジションは最後まで姿を潜めているのがオシャレポイント。

この全員誰かしら殺しちゃってるパターンが一番しっくりくる結末な気がしました。

 

 

ただ、こういう構造の映画であるゆえに、本格ミステリーそのものを期待していた人には肩透かしかも知れません。

如何せん結末次第で他のキャラクターが匂わせていた殺人の動機らしい部分が無駄になってしまうため、出てくる情報の半分くらいがブラフになっちゃいます。

逆転裁判』ばりのブラフ祭り。

 

ただこれは二周目以降で真価を発揮する構造だと思います。

ミステリー作品の結末を知ってから、その作品を最初からチェックするのって結構個人的に好きなんですけど、

この映画に関してはそういう楽しさにプラスして、各キャラクターの怪しさ満点の動向を更に注視する事で、どの結末に繋がっても問題が無い途中経過そのものも楽しめるような気がしました。

 

裏を返せば無難な途中経過でもあります。

しかしそこはコメディ色で上手く物語に色ムラを出してくれるのでそこまで気にならないんじゃないかと思うんですよね。

 

 

 

コメディ色が非常に強く、極めてライトな作風という部分も個人的に好きな要素です。

コメディそのものはブラックユーモアでしか無いものも多数投入されていて、それらがミステリーの作風と絡むと不思議な面白さに繋がります。

 

 

歌う電報配達娘の事ね。

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こんなん笑わないわけ無いじゃん。



本編終盤、巨乳見せびらかしメイドのイベットとたまたま立ち寄っただけの警官が殺されるタイミングで、間髪入れずに唐突に玄関から登場するこのキャラ。

そして間髪入れずに歌って踊り出して間髪入れずに射殺されてしまいます。

 

この一連のテンポの良さとその後のこの娘の死体の扱いの雑さ含め黒い笑いが全開でした。

これホントすっげえ面白い。

 

 

 

死体の扱いといえば、映画の序盤では死体の近くを通ったりするのも嫌がっていた登場人物達が、終盤では事も無げに死体を運んだり雑に扱ったりするようになっていく様も妙なリアリティ込みで面白いです。

 

 

とにかく、この映画には色んな面白さが詰まっています。

 

 

 

まとめ

 

複数の結末がある映画はそれこそ今ではたくさんありますが、各劇場で別の結末を放映した映画なんてのは僕は都市伝説みたいなもの以外では聞いた事が無いです。

そして、そういう構造の映画をよりによってミステリーを基盤とした作品に導入している点が既に面白さの一つだと思います。

 

映画全体はドタバタしたコメディ調でラッピングされていながらも、ラストまでしっかりイベントが無駄なく展開していき、いずれの結末もハッピーエンドに繋がるのが好印象です。

 

複数の結末があるゆえに、結末次第ではキャラクターの動向や動機に無駄も出てきますが、その辺りを上手くコメディの要素とミステリーの要素で良い塩梅に仕上げているように思いました。

 

 

 

ではまた。

殺人ゲームへの招待 (字幕版)