アクアマン(2018年/アメリカ) バレあり感想 冒険活劇風ヒーロー映画でありながら、ヒーロー映画である必然性がしっかり組み込まれていて素敵。
「あれだろ?魚と仲良いおっさんの……」
↓
「いやコイツはヤバい、コイツはヤバい(迫真)」
『アクアマン』
(AQUAMAN)
以下、ネタバレを含む感想記事です。
■ストーリー
地上と海底の二つの世界の戦争を止める為に王の証トライデントを探すマン。
■感想
『ジャスティス・リーグ』でのあの戦いの後ともなれば、どう考えたって迫力では敵わないんじゃないかと思いきや、海底は別腹と言わんばかりの大戦争。
冒険要素もガシガシ組み込まれていて、ヒーロー映画を観ているはずがアドベンチャーを楽しめる、そんな映画でした。
ただ『ジャスティス・リーグ』が前提となっている感は否めません。
アクアマンことアーサーは地上の世界ではジャスティスリーグでの戦いを経て既にヒーローです。
今作のストーリーも、地上で調子に乗れるアーサーでも海底ではまだまだひよっこだぜ!みたいなところから始まっていますし、オリジンを描いているわけでは無いんですよね。
シェアードユニバース系の映画は、個々の作品は個々で完結してちゃんと楽しめるようになっているところが面白いと思うんです。
マーベルシネマティックユニバースのフェーズ3以降のように、歴史の積み立ての上で過去作が前提になってしまうのは仕方ないとは思います。
アクアマンの世界が含まれるDCEU(DCフィルムユニバースって言い方も今はあるんですね)ではまだまだ一発目、これから世界観がどんどん拡張共有されていくという黎明期なのに、もう他の作品の視聴が前提になってしまっているのは最初は少しひっかかりました。
ただ、だからこそのアドベンチャー路線という事なのかと思いました。
結果としては大成功だと思います。僕もシェアードユニバース的には云々言いますが、映画そのものの面白さは間違いないものだと思っていますし。
この映画で面白いところは、そういった事情や作風から、ヒーローのオリジンとしての物語では無いように見せかけつつも、最後はヒーローが生まれる物語に着地させているところだと思います。
当所は戦争を始めようとする腹違いの弟オームを止める為に、王座に付く事を目指して冒険に出発するアーサー。
ですが、後半では「王より偉大な存在が必要」だという流れになり、それこそが英雄であるという形で上手くヒーロー映画の一作目らしいところまで持っていきました。
「王は国を守るだけ、あなたは皆のために戦って」というアーサーの母アトランナのセリフもありました。
凄く良いセリフだと思いますこれ。アーサーは自分自身は王座を求めていないですし、そんなアーサーの心情も悟った上での真理をついたかのような一言。
この後のクライマックスの戦いや、皆から王として最終的に認められる事になる理由にも直結しています。
アーサーが英雄として民を率いる王となるからこそ、映画の締めとして綺麗にオチがつくんだと思います。
映画のボリューム感、内容の濃さも中々のモノだと思います。
弟オームとの決闘であったり、砂漠やシチリア、海溝での冒険、謎解き要素、中ボス的なブラックマンタとの戦い、そして後半のアトランティス人達による大戦争。
楽しい映画としての要素がてんこ盛りです。
冒険を通して一人の男が成長していく超バチバチにど真ん中ストレートな内容ですが、そこが良いんだと思います。
■〆
個人評価:★★★☆☆
映像面での面白さも相当なものです。
海底世界が中心に描かれる映画で、アーサーの視点から未知の世界に触れていく感覚を楽しめる点も個人的には好きでした。
DCEUは『ワンダーウーマン』『アクアマン』『シャザム!』で息を吹き返したと思っていたんですが、その後中々進展が見られない感じがします。
一応ハーレークインの単独映画が次に控えてるとはいえ、なんだか再び勢いを失っている気がします。ちなみに『ジョーカー』は別ユニバースというか建前上は独立した世界観の映画です。あの内容なのでなんとも言い切れないところが面白いです。
せめてフラッシュの単独映画まではどうにかこぎつけて欲しい……!
アクアマンはこちらの配信サービスでも視聴する事が出来ます。
ではまた。