ゴーン・ガール(2014年/アメリカ) バレあり感想 意外すぎる流れでお互いを理解する夫婦の映画。
それでも俺は結婚願望を捨てきれない。
『ゴーン・ガール』
(GONE GIRL)
以下、ネタバレを含む感想記事です。
■ストーリー
失踪した妻を探す内に夫婦の闇が露呈する。
■感想
妻が失踪して焦っていたと思いきや、どうやら夫にも問題がありそうだぞ?からの、
結局は妻がサイコ過ぎて夫が尻にしかれる、という内容を、
至極真剣にスリリングなサスペンスとして成立させた映画。
物語の進め方が凄く凝っています。
まず普通にミステリーを提示して、夫ニックに問題があるという流れに話を進めた上で部分的には事実でありつつも、証拠として挙がっていた物品エピソードの多くが妻エイミーによる自作自演である事が発覚していく、というもの。
後半どころか中盤でミステリーの種明かしがされます。
それ以降は、世間的に不利な状況に陥っていたニックの反撃と、その反撃に心を打たれたエイミーが、間男の元からニックの元に帰るという流れになります。
表面的な部分、第三者視点で見れば失踪した妻と哀れな夫の奇跡の再開という形に落ち着く一方で、本人たちの内情は引くほど薄情な共生関係の域を出ていません。
幸せな家族を演じる事を強要し、それに応える事を決意するニック。
結婚のリアルを描いている作品でもあるのかなと思いました。
只の恋人同士から家族になるという事は、否応にもお互いのより深い部分、人間性やプライベートな姿などをいずれは曝け出す事になると思います。
長い結婚生活の中エイミーは理想的な妻として夫に対して振る舞っていた一方、ニックは素の自分をどんどん見せるようになります。
そしてエイミーはニックに対して失望し、シナリオを準備して失踪しました。
この映画のラストでは、お互いにある種の壁を作り合って結婚生活を仕切り直しています。
しかし、お互いの本質的な部分も一連の事件を通して理解し合っています。
お互いを本当の意味で知った上で、お互いに良い夫婦を演じ合う事で齎される平穏な結婚生活。
そういう捉え方で観てみると、この結末は意外と結婚の本質を突いているようにも感じました。
■〆
個人評価:★★★☆☆
妻の失踪というミステリーで始まり、非常に回りくどい形で夫婦の問題を結果的には乗り越える事になる夫婦の映画でした。
シンプルにミステリーパートも面白いですし、夫側と妻のふたりの意見と行動にも、しっかり問題ありで楽しませてくれます。
最後の、お互い心の底から幸せとは言えないけど一緒に過ごす事を選ぶというオチは、映画に関わらずフィクション全般であまり見られないタイプのリアルな空気感が漂う締め方で面白いです。
ゴーンガールは以下の配信サービスでも視聴する事ができます。
ではまた。