キャビン(2012年/アメリカ) バレあり感想 怖くないどころか楽しい、ダークな笑いと構造で魅せる映画。
タイトルがドーンと出てくるところでバカ映画を確信。
『キャビン』
(The Cabin in the Woods)
予告:https://youtu.be/h54WijtVHXU
以下、ネタバレを含む感想記事です。
■ストーリー
古き神を鎮めるためにホラーというジャンルは存在するらしいことが分かる。
■感想
ホラージャンルを逆手に取る系の映画の中でも特に人気が高く、マニアックな小ネタがてんこ盛りなのに万人にオススメできる映画。
週末に森の奥にある小屋で思い出作りに励もうとした5人の若者の元へ怪物が現れて惨事が始まる、というシナリオを演出してなんとか処女の女の子以外を怪物に殺害させたい謎の組織がいる、という二重構造で話が進んでいきます。
恐怖展開がやらせである事を最初から明かしてくれるので当然怖くないです。ただし怪物は本物。
TRPG的に考えると分かりやすいかもしれません。
謎の組織がゲームマスター(キーパーの方が的確ですね)、
若者たちがプレイヤー(演じているのではなく本人たちにとっては現実です)として描かれているイメージ。
謎の組織は、かつて地上の覇権を握り今では地下深くに封印されている旧支配者(古きもの)を鎮めるため、このようなシナリオを遥か昔から繰り返し続けているそうです。
なぜなら旧支配者はホラーが好きだから。
これまでとこれからのホラー映画は、旧支配者を鎮めるために謎の組織が描き続けたシナリオのリプレイを観ている、という解釈も出来ると思います。
全てを包括しちゃおう!っていう髭のガンダムみたいな大胆さ。
しかし生き残った二人の若者デイナとマーティは真実に気づき、謎の組織が保有していた様々な怪物を全て解放し、組織のアジトは大混乱の中崩壊。
大パニック百鬼夜行ボスラッシュ状態の後半はダークな笑いが満載のお祭りパートです。そしてホラー映画マニア達のニヤケ顔が止まらなくなるパートでもあります。
僕はホラー映画はほどほどにしか観ないので半分もネタが分かりませんでしたが、調べてみるとかなりの数仕込まれているみたいですね。
そして謎の組織が崩壊し、死ぬはずだったマーティが生き残り完全にシナリオが崩壊。
儀式は失敗し旧支配者の封印が解かれ人の世が終末を迎えるところで終わるこの映画。
たくさんの怪物が暴れ回る画が撮りたい!という目的のために、それらしく肉付けして作り上げた映画という印象も受けましたが、そうだとしても面白い映画に変わりはありません。
シガニー・ウィーバーが最期の最後にドヤっと出てくるのが最高ですね。
クリス・ヘムズワースがゴリゴリの陽キャでゴリゴリに死亡フラグを立てて中盤で死ぬのも良いです。役者の使い方と使い所に逆に拘りを感じます。
■〆
個人評価:★★★★☆
ホラー映画そのものを題材にして個性的な解釈をしている作品。
コメディと言うのも少し違う気がします、分類に困りますがとにかく面白かったです。
構造的な面白さを推すタイプの映画のひとつでもあると思います。
キャビンは以下の配信サービスでも視聴する事ができます。
ではまた。