青鬼2.0(2015年/日本) バレあり感想 致命的に怖くなくなった青鬼さん……。
一世を風靡したフリーゲーム青鬼の実写映画作品第二段。
続編では無く文字通りver.2.0的なアップデート版映画という立ち位置。
『青鬼2.0』
『青鬼』の感想記事もあります↓↓↓
以下、ネタバレを含む感想記事です。
■ストーリー
廃墟で化け物に追われる。
■感想
前作より面白くなってる!という前評判を聞いていましたが個人的にはむしろ前作の方がまだ突き抜けてて良かった感じがしました。今作はホラー映画として観ると微妙すぎます。
今作はフワッティが登場したり、原作ではプレイヤーキャラであるヒロシが死亡し、サブキャラであるはずの卓郎にクライマックスが託されるという意外な展開が盛り込まれていたりと、"原作ゲームを知っている人は更に楽しめる"という前作と同様の構造になっていたと思います。
ただ肝心のホラー要員である青鬼の描写が100%完璧に見事なまでに怖くないのは映画的にどうなんでしょう……。不気味でも無いですし。まぁ気持ち悪いですけどね。
早々に姿を現して早々に人を襲い始めるのは良いんですが、襲撃の描写がカメラに向かって大口開いて迫ってくるだけで単調ですし、妙に明るめ且つ全体をアップ気味に映すカットが多いせいかCGらしさが目立っていて、最後まで恐ろしさが感じられませんでした。
しかも今作の青鬼は無駄に表情が付けられてるせいで、マスコット感が強調されているように感じます。方向性が全く分からないまま困惑が恐怖を上回るだけの1時間10分でした。
シュン君が自作したゲームが現実となってひろし達を巻き込んでいる理由は最後まで判明しません。前作もそうでした。
こういうものだから納得してくれというさくしゃのきもちを読み取れたので僕の中ではこの映画ファンタジーにカテゴライズされました。文系の強みを活かす。
その仕組み・カラクリをシュン君は早々に看破するも、肝心のシュン君のPC側は謎の力でコントロールを受け付けず、PC画面では勝手にどんどんゲームが進行し、それはイコール現実のひろし達の攻略そのものとリンクしていて、間接的に止める事はできません。その為、終盤になるまでシュン君と彼の家にやってきた学級委員長アンナちゃんは画面越しにひろし達の頑張りを応援していました。
これは青鬼がゲーム実況動画ベースで人気に火が付いたという背景を踏まえて、プレイヤーと視聴者の関係をそれぞれキャラクターに割り当て映画に落とし込んでいるんだと思います。
ただ、正直この二人は存在も含め今作では要らないんじゃないかなって思いました。
シュン君とアンナちゃんは原作ゲームには登場しないオリジナルキャラで、前作『
青鬼』では主人公ポジションでした。
役者さんは変わっていますし、今作は続編では無くアプデ版という扱いなので前作との関連はあまり感じられないです。終盤に卓郎に助言する役割が在りますが、無理やり仕事与えた感じで、この二人は全体的に今作には馴染んでない気がしました。
ただ全て悪いかというとそうでも無かったです。
探索要素や謎解き要素はくどくならない程度に登場し、うまく青鬼感が出ていたと思いました。
あと何より今作は真の主人公がひろしでは無く卓郎だったという点は個人的にこの映画の最大の見どころだと思いました。
それは"原作を知っている人ほど楽しめる"というスタンスそのものを利用した意外性もそうですが、やたら卓郎のシーン多くね?って思わせてからの実は卓郎の成長を描いた物語だったというのが良い感じの裏切りと面白さがあって好きです。
というか悲しいがな今作で唯一、驚きを味わえるポイントかも。
この辺りが前作よりも良いと言われる所以なのかなと個人的には思っています。
■〆
個人評価:★★☆☆☆
1時間10分というコンパクトサイズな映画なので、暇つぶしには良いかもしれません。
ただホラーを期待して観てみると相当な肩透かしを食らいますし、青鬼という作品を知らずに観てもあまり楽しめないような感じなので、相当人を選ぶ映画なんじゃないかと個人的に思います。
この映画は下記の配信サービスで視聴できます。
ではまた。