亜人(2017年/日本) ネタバレあり感想 マジで8割くらいアクションシーンなんじゃないかってレベル。
漫画原作実写映画鍛えるシリーズ。
原作の亜人は6巻まで読んで一旦お休みしてるんですが、なんか映画観てから改めてまたコミックス集めたくなってきました。
『亜人』
以下、ネタバレを含む感想記事です。
■ストーリー
決して死なない存在である亜人となった永井圭を、警察やら亜人のテログループやらが取り巻く。
■感想
ステータスをアクションに全振りしたかのような、ひたすらどこかしらのタイミングでアクションシーンが発生するようなイメージの映画でした。
原作の亜人って(僕は6巻までしか読んでないんですが)多分そこまでバトル路線でもアクション中心の漫画でも無かった気がするので、多分これは実写化に当たっての大幅な路線変更の賜物なのかも。
映画冒頭でいきなり主人公の永井圭(佐藤健)が亜人になった後に政府に捕まり人体実験を繰り返されているシーンから始まります。
物凄い長回しで実験室と研究員と観察する人々の姿を見せつけた後、テロリズムの塊みたいな亜人である佐藤(綾野剛)が研究施設を襲撃し、さっそく銃撃戦と格闘戦の嵐。
もうここからずっと本当にアクションシーンの連打です。最後まで。こりゃすげえわ。
てっきり回想を多用して各キャラクターを掘り下げる系の作りになっているのかと思いきや圭の過去やいきさつなんかは簡単に説明されるだけなので、最後まで圭がどんな背景を持つキャラでどういう性格なのか、わりと不明慮にされたままです。
その為映画版の圭はなんとなく状況に巻き込まれ、なんか理由は明確ではないけど警察と協力して佐藤に立ち向かう動機がマジで見えてこないキャラになっちゃってました。
一方の佐藤は作中のボスキャラとして、しきりにその背景や人格が描写されますし、佐藤側に付いている他のキャラも引っ張られる様な形でキャラが立っています。
ついでに綾野剛の飛ばし過ぎな演技も相まって、この映画の印象の半分以上を持っていくような存在感を発揮していて笑いました。
若本規夫とか大塚芳忠っぽい、癖の強い話し方するし。と思ったらアニメ版の佐藤の声優がほうちゅうさんなんですね。なるほどね。
無敵の身体を持つ亜人の理不尽な立ち回りと自殺する事でリセットできる性質を利用した独特な戦闘シーンの数々が、かなりキレッキレなアクションに組み合わさっていて新鮮味が凄まじいです。
その亜人ならではの戦い方を見せてくれるのも大半は佐藤なので、やっぱりこの映画の印象の大部分を彼が持っていくのは必然と言えば必然なのかもしれないです。
あと何より、インビジブルブラックマターことIBMこと黒い幽霊の存在は大きいと思いました。
亜人はこのIBMという自身の分身のような存在を出現させる事ができ、IBMは人間よりも数段早い速度で動ける上に、パワーも人を遥かに超えています。
これが本体同士の戦闘に絡んで一緒にその場で戦闘するわけで、本体とIBMのコンビネーションなんかも劇中ではかなり登場していて、リアルコンバットとはまた違うフィクションならではの独特のバトルシーンがたくさん観れて面白かったです。
実写版『ジョジョ四部』のスタンドバトルもそうでしたが、視覚的な面白さと戦略戦術の新鮮さがちゃんと両立しているような形で殺陣考えている人が本当に凄いと思います。
ストーリーは、佐藤が国に対して亜人の特区を要求するが国が拒否したのでテロで脅す、すると国が折れそうになったので東京を特区としてよこせと暴走した結果、圭にシメられるという、原作の流れも汲みつつ物凄く分かりやすい内容になっています。
上に書いたように、そもそも主人公のキャラクター像すら時間をかけて掘り下げていないレベルでアクションシーンに注力しているような映画なので、ストーリーも正直ほぼ在ってないようなものだと思います。
アクションシーンを用意する為の下地くらいのイメージ。
それでも全然面白いと思いましたし、このくらい勢いよく色々省略している漫画原作映画も早々無い気がするので、一つの方向性としてこういうのはアリかもしれません。
■〆
個人評価:★★★☆☆
こういう路線での原作との差別化というか映像化は、かなりアリだと思いました。
あと浜辺美波が出てる、それだけで評価爆発。
現在、以下の配信サービスで視聴できます。
ではまた。