ホビット 竜に奪われた王国(2013年・ニュージーランド・アメリカ) バレあり感想
物語的にはここから本格的に動いていく感じでした。
ホビット三部作としてのストーリーに加えて、ロードオブザリングに向けた展開も並行で進んでいくため、前作のまったりした空気から一気に加速していきます。
『ホビット 竜に奪われた王国』(原題:The Hobbit: The Desolation of Smaug)
出典:Hulu
■ストーリー
アゾグ達の追撃から脱し、再びエレボールを目指す旅の仲間達。
ガンダルフは闇の勢力の復活の噂を確かめる為、一人ドゥグルドゥアへと向かう。
ビルボとドワーフ一同は、森で蜘蛛の大群に襲われたところをエルフの一団に救われる。
だが、ビルボ以外のドワーフは彼らに捕らえられ投獄されてしまった。
ビルボの機転によってなんとか独房から逃げ出した一同だが、追撃してきたオークとエルフとの戦闘に巻き込まれる。
なんとか戦いを潜り抜け、一同はバルドという男の助けを借り、人間の街エスガロスへとたどり着く。
街の目と鼻の先にはエレボールが見えていた。
■感想
第二作目となる今作では、旅の要素に戦闘の要素が前作よりも強く絡んできた感じです。
またバルドやスランドゥイル、更にはレゴラスなんかの個性的なキャラがたくさん出てきて、
いよいよドワーフ一同の影が薄くなり始めてきました。
しかしそれもあくまでエレボール到達までの話で、エレボールに辿りついてからの展開はとても好きです。
エレボールを滅ぼした後お宝に囲まれて眠っていた、スマウグというドラゴンが眼を覚まします。
ビルボはそこでアーケンストーンという、ドワーフの秘宝であり王家の象徴であるクリスタルストーンをスマウグの元から奪取する為に連れてこられたことを知らされます。
わりと非情なこと平気で頼むよね。
ビルボはこの時点で力の指輪を手にしているため、一時的に影界にアクセスして姿を見えなくさせられる為なんとかその場を凌げますが。
普通に死に案件ですからねこんなん。
ガンダルフのパートは、単身ドゥグルドゥアに乗り込んでから殆ど進みませんが、
なんせこっちはこっちでサウロンの復活イベントが起きてますから、ダレるような事は無かったです。
ガンダルフは非常に複雑な人物的背景に基づく諸事情で魔法を使う事に制約がある為、
ロードオブザリング含めた全劇中でも派手目な魔法の使用シーンってあまりない訳ですが、
今作はわりとこうガッツリ魔法使ってます。
ガンダルフはホント良いキャラです。ワクワクが詰め込まれてる。
よく考えると、ただ辺りを光らせてたりするだけのシーンだったりするのに何故こうも様になるのか。
ルーモス、光よ。
ガンダルフってそもそもサウロンに対抗する勢力に助力する為に別世界から来た御方なんですが、
そういった立場的にサウロンを自らの手でマジ殺しはしちゃダメっぽいんですよね。
本気出したら余裕系のキャラ。
あと、これは凄い上手いなって思った部分なんですが、
第一作でトーリンとビルボがどこか噛み合わない二人みたいに描いて、
この第二作で二人の和解と友情の物語という側面を出してきてます。
そこに加えて本作ではトーリンが王家の長として成長する物語みたいな面もあります。
要は第二作までで、観てる大半の人がトーリン大好きになってると思う訳です。
こういう明確な誘導をしてから次作でトーリン闇堕ち展開を仕込むってのが意地悪です。
そこが個人的にこのシリーズの面白いところだとも思ってます。
■まとめ
第一作目と比べて、明らかに物語に関わる要素と展開が一気に増えてきます。
また、闇の勢力の復活に関するエピソードも入ってきます。
そして主軸であるエレボールを目指す為の旅は本作で一応終わります。
が、スマウグとの戦闘が後半には控えており、しかもこれが第二作中では完結しません。
一気に物語としての魅力が爆発したように思えます。
きっと公開直後にこの映画を観た多くの人もそう感じていたと思うんですよ。
物語というか、ここまでで実はある程度ストーリーは収束していますしね。
だからこそ最終作にハチャメチャな事だけを詰め込むことが出来たんでしょうね。
では。