スター・ウォーズ/最後のジェダイ(2017年・アメリカ) バレあり感想 ルーク「素晴らしい。全て間違っている」
ルークさんが煽り狂う!!!!
スター・ウォーズ/最後のジェダイ(原題:STAR WARS: The Last Jedi)
出典:映画.com
■ストーリー
ファーストオーダーの攻勢により、反乱軍は多くの戦力を失った。
反乱軍は最後の戦力を集め、ファーストオーダーの艦隊との激戦に挑む。
ポーの戦略によりドレッドノート級スターデストロイヤーの撃沈に成功するも、反乱軍もまた多くの犠牲を出し、ハイパースペースで脱出を図る。
しかしファーストオーダーの艦隊は反乱軍の船を追跡装置により補足していた。
脱出に失敗した反乱軍は窮地に追い込まれる。
レイは、伝説のジェダイであるルークス・カイウォーカーの元に辿り着き、レイアからの伝言を伝えるも、ルークは島を出ようせず、レイに対しても心を開こうとしない。
ポーはフィンたちと共に、極秘に敵スターデストロイヤーの内部に侵入し、追跡装置を遮断する作戦を敢行する。
■感想
うん。
ちょっと今回は、頭からシーンを振り返りつつ感想って感じのスタイルでいきます。
然も当たり前のようにネタバレしてしまうと思うのでご容赦。
・艦隊戦
まず冒頭の艦隊戦のシーン。
ここは一気に引き込まれました。
同じような始まり方はEP3でもやってますが、
今回はオープニングクロールで「反乱軍は今すごい負けてるヤバい」って事を書いた上でのシーンなので、緊張感はかなりあります。
オープニングからこの艦隊戦への流れでスターウォーズ観てるんだ感はそりゃもう最高に出てましたよ。
艦隊戦の見せ方はEP7に凄く似た感じのカメラワークでしたね。
ある程度俯瞰で戦況を見せていくスタイルのやつ。
多分3Dで観た時の迫力を意識しての手法なのかな。
あとハックス将軍弄りね。
『ローグ・ワン』のクレニックとはまた違った形の苦労人。
緊張感のあるシーンではありますが冒頭にハックス将軍弄りを飛ばして緩和しようとしていたのかな。
ドレッドノート級を撃沈させてハイパースペースでトンズラする反乱軍。
反乱軍に逃げられてしまい、その直後にスノークのクソデカホログラムに叱責を受けるハックス将軍。
頑張れ。
しかしハックス将軍今回は有能でした。
反乱軍の艦船にトラッカー(追跡装置)を仕込んだことで、彼らがどこにジャンプしたのかわかっていると。
後半になってこの追跡装置が物語の鍵になってくるんですけど、
どうやってこれを仕込んだのかって説明在りましたっけ?
フィンとローズの会話の中に出てたのかな。
追跡装置の受信側を止めに行くのがフィンとポー、ローズ達のストーリーの中心だったんですが、その送信側、つまり位置を知らせてる側を止めちゃえば良かったんではないかと思ってましたが。
この辺りはよくわかんなかったので二周目で確認します……。
・ルークとレイ
そして、『フォースの覚醒』から地続きになるレイのパート。
レイアが助けを求めてるとレイがルークに伝えますが、ルークはこれを拒否し島に留まろうとします。
説得の為なのか、ルークの後ろをひたすらついていくレイちゃん。
かわいい。
あとこのルークの居る島でジェダイの建物を護ってる種族とか、予告でも登場していたポーグという小っちぇえ生き物とか、
全編を通しての癒し枠ですかね。
EP6のイウォークなんかとは違って、
本筋には絡まずあくまで癒し枠に徹している感じでした。
行動がなんか今回やたらかわいいレイちゃんと、たくさんの癒し系生物に囲まれた偏屈爺のルークが織りなす不思議な空気のパートです。
ただ、このパートはレイとベン君がフォースによってヴィジョンを共有しているシーンがちょくちょく挟まれてきます。
後になってこれはスノークによる意図的なものだと明かされますが、
この時点ではレイちゃんとベン君が次第にお互い心を開き合っていく演出もあり、
噂されていたレイちゃん闇堕ちフラグなんじゃないかと想像してました。
そんな事は結局一切なかったんですけどね。
他にも、島の地下の方に暗黒面の吹き溜まり(入り口が誇張抜きにマジでケツの穴みたいな感じになってる)みたいな場所があり、
そこにレイが引き込まれる展開なんかもありました。
そこでなんというか、こう、レイの精神世界みたいなのが描かれるんですが、
これは一体。
スターウォーズって多分これまではこういった精神面の話を、フォースやライトサイド、ダークサイドなんていう概念を絡めて抽象的に描写していただけに、
この演出はちょっと意外というか。
ルークは次第にレイに対して師事するようになっていきます。
ちょっとおふざけしてみたり。
レイにフォースがなんたるかを問い、その答えに対して「素晴らしい。全て間違っている」と全力の煽りをかましたり。
ルークって結構煽るキャラですよね。
EP4ラストのデススター戦での発言とか、わりと味方煽りしてましたし。
EP6辺りで落ち着きますが。
個人的に今回のルークは凄く好きです。
凄く良かった。
オビ=ワンともヨーダとも違うマスター像として描かれてたと思います。
また、自身も悩める存在である点も良い味が出ています。
レイちゃんはこの後、結局ルーク無しでファルコン号で反乱軍の皆の元に帰ります。
いつファルコン号に乗り込んだんですかね?
いつの間にかファルコン号に乗ってましたよねレイちゃん。
あと島ではやっぱりヨーダの霊体が出てくるシーンが良かったです。
ヨーダ自体がEP5&6の頃の、痴呆爺さんみたいな感じなのもね。
杖でバシバシ叩いたり変な笑い声上げたりね。
EP1~3のヨーダもジェダイ全盛期のグランドマスターとして好きですけどね。
ただ、霊体ヨーダが雷を島に落とすっていう超展開は笑いましたよ。
霊体でそこまでフォースの干渉が出来るんですね、っていうかあれフォースライトニングだろ。
・フォースってなんだっけ
レイがそんなこんなしてる間、追跡してきたファーストオーダーの艦隊から逃げまくる反乱軍の艦隊。
レイア将軍やアクバー提督の乗る反乱軍の旗艦ブリッジに攻撃が命中して、ブリッジの隔壁が破壊されてしまい、レイアや多くの士官が宇宙空間に投げ出されちゃいます。
「アカンこれ死んだわ」と誰もが思ったその直後!
フォース的な、何かこう凄い力によって船に舞い戻ってくるレイア将軍!!!
いや、もう、流石にだよ。
流石にこれはやってしまってるよ。
今作この他にも色々とフォースに関する描写たくさん出てくるんですが。
なんというか、これはもう神秘的なモノとかとはまたちょっと違うんじゃないでしょうか。
ルークが島でレイにフォースのなんたるかを説いてる一方で、
フォースが万能パワーとして描写され続けるのはちょっとね。
スノークの介入込みですが、全く別所にいるベン君とレイちゃんがフォースによって視覚的な部分込みでコミュニケーションとれたり。
というか触れたりしてたし。
いや確かに霊体化やらフォースライトニングやらも考えてみたらそうですけどね。
でも、今作のフォースの描写は神秘性云々よりも単純な万能性の誇示みたいに見えてしまう部分がありまして。
そんな万能超能力とか魔術みたいなものとして扱っちゃうのはなんかね。
これがアレなんですかね。
スターウォーズファン特有のSWを汚すな病的なものなんですかね。
遂に俺も発症しちまったのかな。
ちなみにプリクエルも大好きですよ。ミーはトリロジー原理主義者じゃない!しどい!ミディクロリアン!
終盤のルークとベン君の一騎打ちのシーンの、ルークの幻影?みたいなのはあれは逆になんとなく受け入れられましたけどね。
霊体化の延長みたいなね。
別にリビングフォースは死なないと発揮できないわけじゃないですしね。
なんにせよ、レイアの宇宙からのカムバックを初めとして、
今作はフォースの描写がなんか違和感があったなって思ってます。
霊体ヨーダの雷落としもよくよく思うとやっぱ違和感ありますし。
ただ、そういうものとして受け入れて観てみると全く別の面白さが出てきます。
それはつまり、ルークやレイアといった人達に限らず、フォースがバランスを再び失い始めた事で色々と干渉が起きているんだろうという予測です。
その結果、これまで以上にフォースで色々できちゃうようになった、とか。
・フィンとローズ
フィンとローズは、カジノがある惑星(名前がもうほんと覚えられない)に出向き、
スターデストロイヤーの船内の扉のコードを解除できる人物を探し回ります。
今回から登場するローズさん。整備士だそうです。
ちなみにラストバトルで立派に旧型ファイター操縦して戦います。
人員がね。足りねえから。
このローズさんの一連の掘り下げが絡められつつ、コード解除の達人を探すというのが主軸。
カジノ内の描写は、思いの外人間型ばかりで、
コテコテのエイリアンタイプとかがあまり出てきませんでした。
前作から引き続き、どうしても地球っぽい感じが拭えないです。
また、このフィン・ローズパートは少し間延びしている感じがありました。
現地の警備の人達から逃げる展開にあそこまで時間使わんでも。
逃走劇として、或いは冒険活劇的要素としてこういった展開を盛り込んだんだとは思いますが。
ここで見つけたコード解除の達人、DJと共に(BB-8が盗んできた船で)反乱軍艦隊の元へ大急ぎで戻るフィンとローズ。
この時点で映画の中盤も終わりくらいだったと思います。
・スプレマシー内でのあれこれ
レイちゃんはスノークとベン君の乗るメガ級スターデストロイヤー、スプレマシーへ向かいます。
そしてベン君と一緒にスノークの元へ向かいます。
結局スノークは何者なんですかね。
今回、わりとこうあっさり倒されてしまいましたよね。
多分死んじゃいない、というかフォースに関してあれこれ知っているし使い手ですし、
そんな簡単には退場しないとは思うんですけど。
ここが明かされると思ってたので結構意外でした。
そしてベン君とレイちゃんの共闘。
ここはベタっちゃベタですけどかなり好きな展開でした。
ライトセーバー戦ではありつつも、スタイリッシュビュンビュンバトルでは無いですね。
個人的にセーバーバトルの描写はこんな感じの方が好みかも。
ただ、この後またベン君とレイちゃんは決別しちゃいます。
ベン君は今作で、師匠であるルークから不信感を向けられた事で他者に対して常に不信感を抱いているっぽい点が明かされました。
自分に道を示したスノークや、同じような境遇のレイちゃんみたいな人に対しては心を開きかけてます。
結局レイちゃんに振られちゃったけど。
また、フィンとローズはDJの裏切りによりキャプテン・ファズマに囚われてしまいます。
窮地を救うのがBB-8ってのは個人的に好きですね。
しかもAT-STを鹵獲して救いにくるエンドアリスペクトなやつね。
こういう部分はなんかスターウォーズっぽい。具体的に何処がとは言えないんですけど、スターウォーズっぽさを感じます。
・撤退から塩の惑星クレイト での最終戦
反乱軍の生存者達を乗せた輸送船が無事に塩の惑星クレイトに辿り着けるように、ハイパードライブの光速航行モードでスプレマシーに特攻を仕掛ける紫髪の司令官代理さん。
衝撃でスプレマシーは二つに割れてしまいます。
これ勿体無いというか、惜しいですよね。
『ローグ・ワン』で似たような感じでハイパードライブを使っていて、
ちょっとそこと被ってしまったように思います。
とにかくそんな訳で、スプレマシー内はもう大騒ぎです。
脱出しようとするフィンたちの前に立ちはだかるのはキャプテン・ファズマ。
予告にあったシーンですね。
しかし思いの外フィンとファズマの戦いのシーンは短かったですね。
EP2のマスター・ウィンドウとジャンゴ・フェットの戦いくらいのボリューム。
ファズマさん最後は炎上する艦底に落ちていってしまいますし。
個人的には、ここは短いながらも盛り上がりどころの一つではありました。
ようやくファズマがちゃんと戦った貴重なシーンですし。
ていうか多分ファズマも生き残ってる気がします。
クレイトへ降り立った反乱軍は急いでそこにある旧反乱軍の基地に駆け込み、追撃してくるファーストオーダーへの応戦の準備を始めます。
出てくるメカニックとかが味わい深い丁度いい古さを演出してました。
一方のファーストオーダーはAT-M6(ごつくなったAT-AT)を主力とした地上部隊でこれを追撃。
スノークが死に、新たな最高指導者になったベン君の初陣です。
ここから映画の終盤です。
予告映像でも印象的なシーンだったので、どんな感じなのかとかなりワクワクしてました。
旧型のビークルでファーストオーダーの地上部隊に立ち向かうポー達。
ですが、ファーストオーダーの用意した小型デススタークラスの破壊力を持つキャノン砲を破壊できず、反乱軍の基地の扉が破壊されてしまいます。
いや威力……。
絞ってたんでしょうねえ!
出力をね!
小型デススター名乗っておいて意外としょうもない火力だったのでちょっと拍子抜けした感じはありますよ。正直。
しかしこの絶体絶命の反乱軍の元に満を持してルークが登場です。
確定演出。
ヌッと現れたルークに、AT-M6をはじめとした部隊の全火力をお見舞いするトリガーハッピーなベン君。
このシーン迫力あるのに妙にシュールで好き。
人間一人に対してやることかよと。
しかしその砲火の中、無傷で現れるルーク。
これが前作主人公の補正か……。
と思ってましたが、後々わかるようにこのルーク、フォースでその場に肉体を顕現させてる状態で基本的に攻撃が通らない状態でした。
フォースの覚醒ってタイトルはこっちに付けるべきだったんじゃね?
そしてルークとベン君の一騎打ちは燃えますね!
そんですぐ負けましたね!ベン君!!
ルークは最終的に霊体化しました。
ヨーダみたいにフェードアウトして肉体が消えてましたね。
2つの夕日を眺めるルークの背中だったり、色々このあたりちょっと切ない。
この後、レイちゃんがフォースでなんとか反乱軍の生き残りを助け出して、ファルコン号で無事に逃げ切って、エンドロール。ふぅ!
・伏線とか
スノークの正体に関しては結局進展は無かったです。
個人的にはフォースのバランスを乱そうとしてるだけの、シスとは別種の存在なんじゃないかと考えてます。
レイちゃんの家族に関しては、「名も無い人達」とレイちゃん自身が言っていたように、一見すると両親は普通の人って感じ。
しかし今作でレイちゃんは初めてルークの居る島に来て、
古いジェダイの書物が保存されている場所に行った際に「ここに来たことがある」と発言しています。
故に、まだまだ何か裏があるのは間違いないですね。
EP7で描かれた記憶の断片みたいなものも気になりますし。
ルークとベン君の過去についても明かされました。
ベン君の中の暗黒面の制御が効かなくなっていた、スノークに乗っ取られていた(って発言してますが実際どうなんですこの辺り)ことで、
ベン君に切りかかろうとしたルーク。
しかしベン君はそれを察知し防戦、フォースでルークを吹き飛ばして、
ジェダイオーダーのルークの弟子の内の何人かを連れてルークの元を離れてレン騎士団を結成したと。
多分、もっと掘り下げられますこれも!
だってレン騎士団がまだ出てきてないじゃない。
あと、フィンとローズが降り立ったカジノのある惑星で使役されてた少年が、
目視していないルークとファーストオーダーの戦いを他の子供に語るシーン。
あの子箒をこう、すっと、フォース的な感じで持ち上げてましたよね?
ちょっと一瞬過ぎたのでちゃんと確認できてないんですが、
これは伏線というより、反乱軍の再興の兆しを示す為のシーンなのかもですけど一応ね。
気になる。
・その他
ルークとR2-D2の再会はほっこりですね。
R2-D2とBB-8は上手く棲み分け出来ていて良いですよね。
BB-8君はちょっとマヌケな感じがして、ドロイドどころか1キャラクターとしても活きてると思いますし。
C-3POにウィンクしてたりも、なんか良かった。
そうだあと今回「嫌な予感がする」って劇中一度も言ってねえよな!!!
な!!
これは果たして意図的なものなのかどうか!!!
これまでのスターウォーズから抜け出すという事を重視しているだけに、
そういったお決まりも一度リセットしようとしているのか。
ちょっと上でも書きましたが、
相変わらず地球っぽい星がたくさん出てきますね。
今回地球っぽくなかったのってクレイトくらいな気がします。
そろそろこの辺りしっかりやらないと『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』にやられてしまうぞ。
■まとめ
全体的なストーリーとしては、反乱軍が事実上崩壊し、スノークの後を継ぎベン君が最高指導者となり、
レイちゃんがいよいよ覚醒しかけた、って感じですかね。
ちょっとストーリーは停滞してます。
EP7はどちらかというとイントロダクションに焦点を当てていて、
今作から本格的に話が動くとされていたのですが、思いの外進展は無しです。
映画の雰囲気としては予告で言われてるよりも明るめでしたよ。
話としてはレイとベンの葛藤と成長に焦点が当たってますし。
コメディ描写が結構キツめに挿入される部分が散見されます。
ちょっとそういう意味ではバランスは悪かったです。
ただ、話しこそあまり進まなかったものの、今後に関わる重要なイベントは結構起きているので、
もしかしたらEP9で怒涛の展開で盛り上がりが最高潮に達する可能性もあります。
うん。
正直わからないんですよね。
個人的にはEP7も素直に楽しめましたし、ローグワンなんてもう唾液止まらなかったんですけど、
今作はちょっとわからない。
面白い部分もたくさんあるはずなんですが、
なんというか、観終わった後に劇場を出て気持ちが結構落ち着いてました。
もしかしたら毎年12月にスターウォーズの新作が観られる環境が良くないのかもしれないです。
ファンボーイズ()も制作陣も。
慣れちゃってるのかもね。
二周目観てから色々追記するかもしれません。
ではまた。