スペクトル(2018年/アメリカ) バレあり感想 荒廃した街で未知の敵とドンパチ。それで十分。
SF戦争映画を期待して観ました。
ネットフリックスオリジナル作品。
『スペクトル』
(Spectral)
結末のネタバレを含みます。
■ストーリー
変死する兵士達と、特殊ゴーグルに映り込む光の謎を解明するべく、技術屋のお兄さんが戦地入り。
■感想
かっこいいシーンがたくさん観られる映画でした。
映像のクオリティも高く、観ているだけでわくわくします。
また、ゴチャゴチャになりがちな戦闘シーンなどでも、何が起きているのかが凄く分かりやすいです。
あ^~手ブレ撮影で臨場感出すんじゃ^~みたいな事は極力やらずに、
照準器やヘルメットカメラ辺りからの視点を時々挟む程度で、全体的に神の視点を中心に置いて描き続けてくれます。
一人称視点が悪いと言っているのではなく、そうする事で全体で何が起きているかの把握がしやすくなると思うので、観る側としてはありがたかったり。
また、メカニック関連のデザインなんかもかなり好きです。
現実の兵器の直線状に位置しているようなリアリティのあるデザインで、そのあたりの技術的なフィット感も良かったです。
それと戦場の風景というか、荒廃した市街地の雰囲気も好きです。
未知の敵が発する光が良い感じにアクセントを効かせていてかっこいいです。
それ以外は、あまり目立った部分は無かったような気がします。
恐らく世界大戦規模の戦争真っただ中のアメリカ軍を中心にしているものの、敵対する反乱軍勢力は死体以外で登場する事はありません。
敵は謎の光。
特殊な方法でしか見る事の出来ない幽霊のような存在で、物理的な攻撃は通用せず、しかも触れただけで人間は死ぬというとんでも無い存在との戦いがメインになります。
未知性が非常に高く、一体何者なのかとワクワクしながらその正体が暴かれるのを楽しみにしていましたが、いざ何者なのかという解説を聞いても殆どわかりませんでした。
化合物がどうのこうので電気的にあれをこうして自然物質はどうたらこうたらでとにかく殺せることだけはたしかだと。SFの悪いノリが悪い方向に働いてしまった感。
ただ元は人間で、何かしらの改造をされてそういう存在になり、反乱軍の兵器として実戦投入される予定だったものが暴走してしまった、ということみたいです。
この"実は元人間"ってのも個人的にはインパクトに欠ける感じがありました。虚淵玄がやりがちなやつね。
あいつらよく見たら結構人っぽいよねって、それまでに散々描いているんですもん。
そんな元人間達ですが、彼らの造られた発電所の電力供給を停止させると、途端に全ての元人間の皆さんは活動を停止させて虚空に消え、生き残った米兵たちは安堵と勝利に湧きます。
たった一つのアクションで敵が全滅するパターンのやつ!
当初は敵に全く攻撃が効かない状態から、鉄くずを詰めたグレネードで足止めできるようになり、特性を理解してからはパルスレーザー的兵器で殺傷する事も可能になります。
徐々に敵の倒し方を見出していくプロセス自体は良いのに、最後の倒し方で拍子抜けしてしまいました。
■〆
個人評価:★★☆☆☆
個人的には十分楽しめた映画なんですが、誰かにオススメ聞かれてこの映画の名前を出す事は無さそうだなって、そういうところで星が少ないです。
ではまた。