ウォーキング・デッド シーズン8 第14話 バレあり感想 転化というキーワードに含みがある事に今更気づいた。
前回の記事でモーガンに関する描写にうんざりしていた僕ですが、今回の話で観方がまた変わりました。
掌を返し過ぎて捩じ切れてしまう。
そしてちょくちょく出てきたヘリコプターとゴミ山の謎についてまた新たに一石投じてました。
第14話「涙のわけ」
■ストーリー
ジェイディスに対して心からの謝罪をすることで許してもらった風のニーガン。
一方モーガンは完全に発狂状態へ。
そして主人公リックは主人公と思えない悪事の数々を働き外道をひた走る。
■感想
転化というキーワードが初めて登場したのはかなり初期のシーズンでした。
要は人間からウォーカーになる事を指す単語です。
この転化のキーワードと繋がりが深いキャラクターがモーガンです。
彼の発狂期はこの転化というキーワードを用いて描かれている事が多いです。
「みんな転化する」という、既に生存者も全て感染している為ウォーカーによって傷を負わされなかった人でも死ねばいずれはウォーカーになる、という設定を指す有名なキーワードがあります。
モーガンは発狂期にこの言葉を多用しがちです。
第一次発狂期はS3、リックが去った後息子が死に、そこから発狂してしまいます。
なんとかして最後は正気を取り戻した感じにはなるんですが、次に登場したS5ではやっぱりまだまだ発狂状態が継続しています。
この流れ以降、モーガンが正式にレギュラーキャラとして登場するようになってからも、モーガンは幾度となく一時的狂気に陥っています。
今シーズンでもモーガンは相変わらず正気度を回復しては狂気に陥るフローを繰り返しています。
そして今回の話でも、脱走した捕虜との戦いの後、「みんな転化する」という言葉をリックに、或いは自分に対して用いています。
元々は人間からウォーカーへと変わる事を指した転化というキーワードですが、今回の話でようやく別の意味を含ませている事に気づきました。
人間性の変化に対するキーワードでもあったんですねこれ。
人からウォーカーへの転化は、今のところ本編中では不可逆です。
ここに人間性に対するキーワードとして、且つ作中のモーガンの変化を併せて考えると、なぜ発狂期のモーガンがこの言葉を多用していたのかがなんとなくわかりました。
モーガンはもうまともな道には引き返せないという事の暗示なのかもしれませんねこれ。
思えば同じように悩み、殺し、更生する事が出来たキャロルと、昔からやたらと対比して描かれていたのもここに起因していたんですかね。
構成力ってやつを見せつけられたぜ。
モーガンは本当に悲しみだけを背負ったキャラクターなんですね。
前回お前の悩みはどうでもいい的な事を書いた自分が本当にクソ。
また、このキーワードを今回はリックにも向けていたように見えるのがかなり気になる部分です。
特に今シーズンに入って以降のリックはおかしい。
完全に善悪の概念の外側に位置するキャラクターになっています。
今回の話でも、ヒルトップへの帰還を望む捕虜達を騙して最後に殺してしまっていました。
やってる事はニーガン以上に卑劣です。
ニーガンとの確執のきっかけもリック主導の無駄な殺しに起因しています。
その事を考えると、モーガンからリックへ「みんな転化する」というキーワードが送られた事には、かなり大きな意味がありそうな気がします。
今回の話はこの他に、ジェイディスと彼女にさらわれたニーガンのパートも描かれていました。
ゴミ山がある種の基地を隠蔽したものではないか、という考察はだいぶ前からありましたが、今回このゴミ山にヘリがやってきたことで更に謎が深まりました。
また、ニーガンがあくまで筋はしっかり通すタイプである事も描かれます。
これによっていよいよリックとニーガンのどちらが正しいのか分からなくなってきますね。
単純な善悪論では決して収まらないゾンビアポカリプス後の世界の倫理観を描くと同時に、これまで散々悪い奴アピールで得点稼がせていたニーガンの化けの皮をようやく本腰入れて剥がしてあげている感じ。
元々全編通してこういうのを狙った内容なんでしょうけどね、S7以降のTWD。
■まとめ
ストーリーは本当にちょっとずつ進んでいる程度です。
モーガンがいよいよ殺しに憑りつかれ、ついでにリックも主人公をやめそうな勢い。
このシーズンの終着点は第14話時点で未だに見えてきていませんが、残り2話でどうなっていくのか楽しみです。
ではまた。