ストレンジャー・シングス 未知の世界(2016年/アメリカ) バレあり感想 今の目で見ると違和感を覚える80年代の世界と、裏世界という2要素の混在が魅力的。
アラジンもさらば愛しきアウトローもチャイルドプレイも天気の子もアルキメデスの大戦も全部蹴ってこのドラマをひたすら見ていた。
夏は始まっていた。
『ストレンジャー・シングス 未知の世界』
(STRANGER THINGS)
シーズン1全体のネタバレを含む感想記事です。
■ストーリー
80年代のアメリカの架空の田舎町ホーキンスを舞台に、子供達とおとな数名が超常現象と向き合う。
■感想
80年代への回帰と憧憬。
少年達は消えた親友ウィルを見つけ出す為に田舎町のホーキンスを自転車で駆け巡り、超能力を持つ少女と出会うことで日常が激変します。
ウィルの遺体が発見されるも、その死を信じないウィルの親友達や家族、そして警察署長。
どこかで生きているはずのウィルを探す内に、人々は裏世界の存在を知ることになります。
今更言うまでもないですが、『ストレンジャー・シングス』はとても人気のあるドラマシリーズです。
圧倒的な支持を得られた理由として、オマージュの豊富さや少年少女の苦難や友情というジュブナイル的な要素、ノスタルジックな世界観など実に様々な意見を聞きます。
それらも確かに魅力的なんですが、
僕個人としては子供の頃感じていた世界の広さみたいな部分を、並行世界という要素を交えつつ描いて、正に未知の世界を童心さながらに体感できる点に一番魅力を感じました。ジュブナイルみが深い。
豊富なオマージュと80年代らしさの演出への拘りとその時代の徹底再現は、結果として現代との乖離を感じさせ、まるで異世界に放り込まれたかのような不思議な感覚を覚えます。
そもそも異世界そのものがガッツリ登場するドラマですけどね。
TRPGに明け暮れる子供。
とにかく喫煙する大人達。
壊滅的なファッションと髪型(今はリバイバルブーム来ていますが)の若者達。
アイコニックなこれらの描写は単純な懐かしさの想起に留まらず、この世界の違和感の演出に一役買っている気がします。
人々の生活スタイルというさり気ない部分まで含め80年代のアメリカを再現した事で、ドラマ内でリアリティと異物感の相反する2要素が混在していて面白いです。
■〆
個人評価:★★★★☆
懐かしくもどこか異質さを感じる80年代の世界と、裏世界の存在が組み合わさった空間で描かれる物語。
副題の"未知の世界"とはホント言い得て妙で、僕はこの世界観そのものにかなり魅力を感じました。
もちろん超能力少女と少年たちの物語という要素や、裏世界との対面といった部分も非常に楽しめました。
ではまた。
なんとなく実写映画化されたサイレントヒルも置いときますね……。
裏世界の邪悪さではこっちが勝ってます。