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サークル(2015年/アメリカ) バレあり感想 狼の居ない人狼ゲームみたいな話。50人も集めたキャラの殆どを活かせなかったのはなんとかならなかったのか。

 

 

17年にエマ・ワトソン主演で公開された映画とは別物です(そちらは"ザ・”サークル)。

 

この映画はいわゆるソリッドシチュエーションスリラーという形態をとる映画なんですが、

絶対的なリーダー格もブレイン的なポジションも見当たらず、

映画的なテンプレに満ち溢れたアメリカ市民50人くらいが集められているだけという中々レアな作風でした

 

 

『サークル』

(CIRCLE)

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以下、ネタバレを含む感想記事です。

 

 

 

ストーリー

隔離された空間に恐らく無作為に集められた50人のアメリカ市民が2分毎に死ぬ。

 

 

感想

 

密室に50人のアメリカ市民が集められ、2分毎に投票によって誰か一人を殺すというのが主なギミックになる映画です。

 このルールのそもそもの部分、誰かに投票するという事を理解するまでに3人だか4人だか死にますし、

票数が同じ人が出たらどうなるの?とか全員が隣の人に票を入れたらどうなるの?とか色々試行錯誤する度に誰か死にます。

命の軽さが笑える映画。

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最初に50人が映ったシーンを見た時は「この人数をどう捌くのか」とワクワクしました。結果捌ききれずに大多数が何となくで死ぬとは予想できなかったよ……。

集められた人の中には一応メインキャラらしい存在感を発揮する人も何人かいるんですが、突然の死でビックリさせたかったのか、その手のメインキャラも唐突に死んだりします。

そもそも2分毎に人が死ぬという環境下でメインキャラらしき人が突然死んでも驚きません。悲しい誤算です。

それだけでは無く、誰でも死ぬという認識を強く持たせすぎたせいで、この手の映画では醍醐味ともいえる「誰が生き残るのか」を予想する楽しみすら失われています。

 

 

 

2分毎に投票して死ぬ人を決めるというシステムがそもそもいけないんだと思います。

思考する余地も試行の余地も与えられず、ちょっと自己紹介してみた女性に票が集中したり、ちょっと悪態ついただけの若者に票が集中したりと無法地帯の原因そのものです。

しかも観ている側としては、2分間隔の貴重な時間を有効活用しない彼らに苛立ちを覚えるだけというあまりにも誰も得をしない設定。

劇中でも「時間を有効活用しよう!」という意見こそ出るのですが、殆ど有効に使われる事も無く、結局彼らの焦りを描く為だけの舞台装置みたいな扱いになっていました。

 

そんなわけで設定的にも捌けるキャラの数にも余裕が無い中、更に人種差別やLGBT、格差といった諸々の社会問題が反映されてそうなキャラクターが多数登場します。

当然のように彼らも死にますが、彼らの抱える悩みや社会の抱えた問題が投票に反映される事はあまりありませんでした。なんなのこれ。

 

ただ、ひとつだけ凄く良いなと思ったシーンがあります。

16歳のショーンが自らを犠牲にすると覚悟を決め、お互いに死を押し付け合う大人を尻目に散っていくシーン。

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ショーンが犠牲になる事を選んだ理由は、状況に嫌気が差したからとか自暴自棄になったからとかでは無い点がとても良いです。

大人達が自分が生き残る為に醜い姿を曝け出し合う中で、子供のショーンはそんな彼らの為に死を選択しているのであって、正にヒーローの自己犠牲そのもの。

このシーンだけやたら問題提起の質が高いですし、ショーンの選択の後の大人の反応とかもなんか悲しいですし、とにかくここは見どころと言って良いと思います。

 

 

 

 

シチュエーションスリラーの名作CUBEの三作目が犯した失敗と、全く同じ失敗がこの映画のラストでは見受けられます。

CUBEのネタバレになるのであまり詳しく書けませんが、端的に言えば不気味さや異質さを全部取っ払ってしまうような、致命的な演出です。

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↑問題のCUBEシリーズ三作目。 

 

この50人が集められた理由が無作為なのか意図的なのかは結局分からず、ラストカットで映る円盤型の飛行物体が宇宙人のモノなのか地球のモノなのか、実験なのか戯れなのか、それらの一切に解答は無く終わる(一応淘汰のゲームであるらしい事を仄めかしはしますが……)わけですが、最後の円盤のシーンは無くても良かったんじゃないかって個人的には思いました。

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超展開が好きな俺でも気持ちが乗らなかったのは、単純に何もかもが雑すぎるから。

 

変にUFOを描写したせいで、このUFOの目的は何だったのか?っていう部分に意識が向いちゃいました。

もしUFOが最期に出てこなければ、投票ゲーム自体に理由は無く本当にただ殺すだけのものだった可能性という、

漠然としていて不気味で意味不明な、まるで一作目の『ハロウィン』のマイケル・マイヤーズが醸し出していたような狂気を演出できたんじゃないかと思います。

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その方向性を切り捨てる意味がわかりません。

前述の通り、劇中で投票ゲームの目的や主催したであろう存在の動機が見えてくる事はありません。

それにも関わらずラストに主催者と思しき存在だけ示唆するのは、まとまりが無いように感じます。

このUFOチラ見せオチは好きでは無いです。

 

 

 

個人評価:★★☆☆☆

 

ショーンのシーンが無ければ星1だったかも知れないくらいの印象の映画。

シチュエーションスリラー映画が好きって人ほどこの映画は好きになれないような気がしました。

全体的に雑な印象の映画ですが、諸々の原因は結局のところ50人もキャラを詰め込む必要が無かったんじゃないかってところに帰結しそうです。

 

ではまた。

キューブ (字幕版)

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ソウ (字幕版)

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人狼ゲーム ビーストサイド

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