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ジョン・ウィック:パラベラム(2019年/アメリカ) バレあり感想 戦闘シーンは多角的に進化していて面白さが詰まっているけど、全体的には尻すぼみな印象。

 

流石のジョンですら誰かを頼らざるを得なくなるシリーズ第三作。

 

 

ジョン・ウィック:パラベラム』

(JOHN WICK:Chapter3- Parabellum)

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画像引用元:映画『ジョン・ウィック:パラベラム』オフィシャルサイト

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前二作の感想はこちら↓↓↓

ジョン・ウィック(2014年/アメリカ) バレあり感想 外連味ありすぎて面白すぎ。 - 趣味と向き合う日々

ジョン・ウィック:チャプター2(2017年/アメリカ) バレあり感想 より世界観が拡張された中編。 - 趣味と向き合う日々

 

 

以下、ネタバレを含む感想記事です。

 

 

 

ストーリー

流石のジョン・ウィックと言えども世界中の腕利きの殺し屋から狙われるのは厳しいので、恩赦を貰うために暴れて殺す。

 

感想

 

前作のラスト、コンチネンタル内で人殺しをやってしまったジョン。

ジョンの首には懸賞金がかけられ、世界中の殺し屋がジョンを狙う状況から今作は始まるので、今作もバトルシーンまみれの映画に仕上がっていました。

 

ただ、全体的な印象では前二作よりも尻すぼみに感じます。

世界中の殺し屋から狙われる事になったジョンが、なんとか生き残るべく各地を転々としギリギリの線を渡り続けるというのが今作の内容でした。

作中世界のスケール観は大幅にパワーアップしているはずなんですが、各ロケーション毎の出来事がどれもお使いシナリオに終始していました。

その単純明快さはシリーズの魅力のひとつでもあると思うんですが、今作ではそれが上手くハマらず淡々としている印象を受けます。

最後のNYコンチネンタルホテルでの戦闘の盛り上がりが飛び抜けているのも含めて、相対的に他のロケーションでの出来事の印象が僕の中で薄まっているだけかもしれません。

 

一作目から今作までの劇中時間は恐らく一ヶ月も経っていないと思いますし、あの二作目の直後の物語なのでジョンが疲弊しきっているのも分かります。

ですが、今作のジョンはどうしても動きが鈍い印象があります。

これまで殆どの状況を単身で突破してきたジョンが、今作では仲間や旧知の人物の力を借りてなんとか乗り切る、という構成でシリーズ内での差別化が図られていたと思います。

でも俺は、伝説の殺し屋ジョン・ウィック意味不明なほど高い殺人戦闘スキルを今作でも楽しみたかった……!

一流の殺し屋らしさが損なわれている訳では無いんですが、いかんせん前二作と比べると人間味が強いような気がしました。

 疲弊している故の戦闘能力の低下、では無く、現実に居そうな単純に強い人みたいな印象。

 

 

 

戦闘シーン全般は今作もとても面白いです。ここは絶対にハズさないのは流石です。

戦闘にユーモア的な要素も含まれている点で、今作は前二作とはまた少し違う血色に仕上がっているのが特徴だと思いました。

ジャッキー・チェンのカンフーアクションにダークさを加えたみたいなイメージです。

 

特に冒頭の書庫での戦闘と、アンティークショップ(?)での戦闘、そしてこの映画のクライマックスを飾るNYコンチネンタルホテル内での戦闘シーンはとても好きです。滅茶苦茶すぎる。

鉛筆で人を殺せるジョンなので本でも人を殺しますし、アンティークショップでの戦闘の投げナイフ合戦とか最高に面白いです。無限リロード投げナイフ。

 

クライマックスの戦闘シーンは、新世代のボディアーマーに身を包んだ部隊との戦闘だったり、忍者との戦闘だったり、戦闘シーンそのものの面白さで前二作に全く引けを取らないと思います。忍者との戦いは正直いえば異種格闘技的な面白さでもあるんですが。

ボディアーマー越しには銃撃が通らないので、ジョンは中距離では銃撃でけん制し、近接戦闘に持ち込みアーマー内への接射で確実に相手を仕留める、という戦い方にシフトして対応しているところがとても好きです。どうしても敵を仕留めたいという気概を感じる。

 

 

 

 今作では裁定人という存在によって、ジョンの協力者と見なされた人達は主席連合から目の敵にされてしまいます。

その結果がNYコンチネンタルホテルでの戦闘に繋がっていたりもするのですが、裁定人の要素は無くても良かったんじゃないかと思っています。

最終盤、裁定人との協議の結果として、ウィンストンがジョンを銃撃しビルから落とします。

このウィンストンの行動は十中八九裏の意図があると思うんですが、この流れ自体が少し無理やりな印象があってあまり驚きには繋がりませんでした。

また、バワリ―も裁定人によって制裁を受けていて、ビルから落下したジョンを救い二人で主席連合への復讐の意志を確かめ合うところで今作は終わりです。

 

今作を通して裁定人による制裁は描かれているのですが、結局のところこの結末に繋げたいが為に配置されたキャラクターに過ぎないのかと感じてしまいます。蛇足感。

 

 

個人評価:★★★☆☆

 

俺たちの戦いはこれからだ!エンド。

てっきり三部作なのかと勘違いしていたので、まだまだ続きが作れそうな終わり方をしたのは意外でした。

ジョン・ウィックという映画の本質的な魅力は損なわれてはいないと思うんですが、前作の結末を観て、より一層ジョンの人外染みた活躍を求めてしまった僕個人としては、今作には少し物足りなさも感じます。

ジョンも人間なんだよね。

ただ、それを踏まえても今作の戦闘シーンはかなり出来が良くて、やっぱりこの映画の核を成している部分なだけはあるなと思いました。

面白かったです。

 

ではまた。

ジョン・ウィック: パラベラム (オリジナル・サウンドトラック)

ジョン・ウィック: パラベラム (オリジナル・サウンドトラック)